これら「合格祈願」商品は昔からあったが、大規模にブームとして展開されるようになったのは、2003年末に発売された『キットカット』の受験生応援バージョン。分かりやすい語呂が、少しでも心の安寧を得たい受験生のハートをわしづかみにした。勉強で頭が疲れている受験生に甘いもので栄養補充という流れにもチョコレートはマッチした。

今年1月のお菓子類の新製品売上では、受験生対応版ともいえる『キットカットさくら風味』がトップ。2位にはロッテのチョコ菓子『めざせ合格コアラのマーチ』、4位に東ハトの『かなえるコーン』が入った。このようにげんかつぎ商品が上位を占めている時期もあったほど、ニーズは大きい。

「キットカット」の発売元ネスレでは、今年は9商品にまで対応商品を増やしている。[専用サイト]>も用意し、縁起物のパックの他に地域限定商品もそろえた。いわく、受験生の家族や親戚などがお土産や贈り物として買いやすいようにとの配慮である。東京や大阪の大学に入学すべく最後の仕上げ・テスト準備のために上京(上阪)した受験生に、地元の人たちの気持ちが伝わるよう、地域色の強い商品を、というコンセプトなのだろう。また12月11日にはJR東京駅内にキヨスク店舗をオープンし、これらの地域限定商品を先行販売するという。

また【江崎グリコ(2206)】では、【NOVA(4655)】との共同企画商品を12月25日に発売する。「ポッキー」を逆さに読んで「キッポー」「吉報」「合格」という連想から、受験生応援アイテムとして同社主力商品「ポッキー」を薦めているが、今年は英語のお役立ちアイテムを添付させた(【発表リリース】)。内袋にNOVA監修の「おまじなイングリッシュ」なる英語のワンポイントアドバイスが、NOVAのキャラクタであるNOVAうさぎのイラストと共にデザインされている。また連動企画として受験生応援サイト【ちょこっとリスニング力をのばそう！】もオープンする(12月25日開設予定)。

その他にも元記事では、おせんべいの定番「ばかうけ」の合格祈願商品「開運ばかうけ稲荷」、【ハウス食品(2810)】の「受カルビ焼肉」ポテトチップ、フルタ製菓の「成功イヤー!」、【亀田製菓(2220)】の「合格するぞ! ハッピーターン」など多数の商品が展開中だと報じている(少々数が多いので、機会があれば改めて触れることにしよう)。

気がつけばコンビニのレジ前にも、受験生応援アイテムコーナーが設置され、ピンクや赤の色が目に止まるようになった。科学的証明は無いものの、少しでも心境的にプラスとなるのなら、いくらでもげんを担ぎたくなるのは分かる気がするし、それも一つの「受験必勝法」なのではないかなと考えるのだが、どうだろうか。

また、メーカーにも「げんかつぎ」商品は「原価次(げんか・つぎ)」な気持ちで商品展開をし、受験生を応援する気持ちを込めて欲しいものだ。

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(最終更新:2013/08/24)