「バンビミルクキャラメル」の池田製菓、原油高による経営不振で事業停止
2006年12月03日 09:00
【Mainichi INTERACTIVE】などが報じたところによると、『バンビミルクキャラメル』などが多くの人に愛されてきた北海道の老舗お菓子メーカー池田製菓(1922年創業)が11月30日付けで事業を停止したことが明らかになった。負債総額は約9億5000万円。今後は仕入先などの支援のもとに、新会社の設立も視野に入れた再生を図ることになる。
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池田製菓そのものは公式サイトがないので同社からの見解は把握できないが、元記事などによると昨今の原油高の影響でこの1年間に砂糖や包装紙などの原材料が5~30%も上昇。主力商品の「バンビキャラメル」は年間総売上額の半分以上である5億円を占め、50万個も生産されているが、これだけでは全部の同社発売の商品60種類すべてにおいて高騰する原材料費をカバーできなかった。なお従業員66人は全員解雇されたとのこと。
「バンビってあのディズニーのバンビ? パチものなのでは?」と、パッケージ写真を見て思う人がいるかもしれないが、池田製菓では1952年にウォルトディズニー社から商標権を獲得しており、正真正銘のライセンス商品。昭和50年代に一度製造を休止したが、創業80周年記念商品として2002年に昔のままのパッケージで復刻販売したところ、レトロ感が世相にマッチし、大きな売上(販売開始3日間で4万個が完売、半月で15万個を売り切り1年足らずで100万個を突破)をあげるようになった。
事業停止は行われたが、仕入先・販売先の双方から商品の生産続行の要望は強く、「バンビ」の商標は存続される方針。新しい運営方式については、新会社の設立かスポンサー会社への営業権移譲を想定し、従業員の復帰も目指しているという。
【地元の北海道新聞】にはもう少し細かい状況が報じられている。また、販売再開の2002年に大ヒットし、大きな売上を上げ続けるきっかけとして、再販開始時に携帯ストラップのプレゼントが行われたことも効果があったようだ(【参照:Web小樽】)。
現在入手可能な「バンビキャラメル」のパッケージを見ると、確かにレトロ調で、それが逆に今でも受けそうなものであり、多くの人に愛されるのも理解できる。今現在あらためてディズニーから同様の商標権を確保するのは事実上不可能であることを考えると、ぜひともこの「バンビキャラメル」の歴史を断ち切ることなく、何らかの形で生き長らえさせ、供給を続けて欲しいものだ。
(最終更新:2013/09/02)
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