【更新】NTTドコモ(9437)の携帯電話の電池破裂、原因は三洋(6764)の電池

2006年12月08日 06:30

モバイルイメージ【NTTドコモ(9437)】【三菱電機(6503)】は12月7日、三菱電機製の携帯電話「FOMA D902i」に搭載された電池パック「D06」の一部について、異常発熱や破裂の恐れがあると発表した(【発表リリース】)。両社は事態を重く見て、このタイプの電池パック約130万個をすべて回収・交換するとしている。電池そのものの交換費だけで13億円かかる見込み。この電池パックは【三洋電機(6764)】の連結子会社・三洋ジーエスソフトエナジーから三菱電機にOEM供給されたもの。

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リリースによると対象となる電池パックでは製造工程に問題があり、電池内絶縁シートが損傷する場合があり、さらに力が加わることで電池パックに異常発熱が発生、場合によっては破裂する恐れがあるとのこと。すでに11月16日には大阪府でこれを原因とする破裂が起きたことが確認されている。

また、この電池交換にあたり電池を確保するため、「FOMA D902i」「FOMA D902iS」「FOMA D903i」の販売を一時停止することも明らかにされた。再開時期は未定だが、「FOMA D903i」は昨月14日に発売されたばかりの主力機で、ドコモ・三菱双方にとって大きな痛手となる。また、電池を製造していた三洋ジーエスソフトエナジーの親会社三洋電機も同日[関連リリース(PDF)]を流しているが、業績にに対する影響については「当社連結業績に与える影響については、現在精査中であります。」とのみコメントしている。

三洋電機はすでに報じられているように、昨年11月に中期経営計画を発表してから再建の道を歩み始め、ノキアとの提携にこぎつけたものの、それが6月には挫折。携帯電話事業がアメリカメーカーの方針転換により売れ行き不振となり業績も下方修正を余儀なくされるなど、集団経営体制の混乱が業績にも現れる形となっている。先日は2005年度の900億円を投資したリストラに続き、さらに追加で400億円の投入による2200人の人員削減を主軸とする再リストラを行うなど、いわば「追加手術」「対処療法的戦略」を発表している。

携帯電話の電池事業は三洋電機にとって数少ない稼ぎ頭だった。それだけに、今回その電池部門で大規模な回収が行われることが決定したことは、NTTドコモや三菱電機はもちろんだが、それ以上に三洋電機には大きな衝撃になったことは間違いないだろう。

また一部報道にもあるように、この電池の不具合について4月に三洋電機・三菱共に気がついており、工程や電池の回収を済ませていたものの、影響は大きくないとして不具合の公表をせずに、利用者には個別交換にとどめていたということも明らかになっている。このような「事実隠蔽」とも受け止められかねない行為に対しても、今後追求の声が高まることも予想される。

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