【更新】日興コーディアル(8603)、不明瞭会計で社長と会長辞任
2006年12月25日 12:30
先に【日興コーディアルグループ(8603)、不明瞭会計で社長・会長らの進退が問われる】でも報じた【日興コーディアルグループ(8603)】の不明瞭な会計報告について【証券取引等監視委員会】が指摘していた問題で同社は12月25日昼前、今回の不祥事の責任を取り金子昌資会長・有村純一社長の両者が12月26日付けで退任することを発表した([発表リリース、PDF])。
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今件は【「日興が不適切な利益計上、課徴金も視野」日経報ず】で説明されているように、日興の子会社と孫会社の間で相対取引を行い、利益が上がった子会社のみを連結対象とし、グループ企業としての利益を水増し。その決算結果を2004年に実施された500億円の社債発行の際の提出書類に記したという、虚偽記載を行ったもの。
今件について当初日興側では「一担当社員の事務的なミスが問題」と説明していたが、【証券取引等監視委員会】では「組織的な行為である」として意見は真っ向から対立。さらに一部報道で「社長・会長らの辞任へ」と報じられると[ただちにこれを否定(PDF)]するなど、あくまでも「一社員のミスによる結果」という主張をつらぬく構えを見せていた。
しかし12月22日に山本有二金融相が記者会見の中で、「健全な証券取引を行うことが経営者の義務で、今回のような事案が二度と起こらないということをはっきりと明らかにしてもらわなければならない」「日興から提出された書類を見て判断することになるが、経営トップのかかわりが明らかになった場合には責任の取りかたとして辞任もありうる」などと言及したことで、日興側でも上層部の「進退問題」判断が求められることになった。先週末からは各報道で、25日付けの取締役会で人事刷新を行う予定であると報じられていたが、今回正式にそれが発表されたことになる。
リリースによると今回退任するのは日興コーディアルグループの社長・会長、さらに日興が完全出資し自己資金投資を行う【日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)】の代表取締役会長平野博文と代表取締役社長 城戸一幸も退任する予定だという。なお日興コーディアルグループでは社長の後任に桑島正治取締役が就任する。
さらに今回の件を受けて事実究明をするため、外部専門家を中心に編成した特別調査委員会の設置も発表された。
東証では今件を受けて12月18日から同銘柄を監理ポスト行きにしているが(【公開ページ】)、現在のところは22日更新の「引き続き、上場廃止のおそれについて投資家に周知する必要があるため、監理ポスト割当てを継続する。」と表記されているのみである。今後東証が会長と社長の退任で手打ちとするのか、それとも上場に値せずとして廃止を宣告するのかは、追って明らかにされる具体的な開示情報の内容、特に今件が組織ぐるみのものだったかどうか、という点次第だろう。
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(最終更新:2013/08/23)
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