【更新】日興コーディアルグループ(8603)、不明瞭会計で社長・会長らの進退が問われる
2006年12月23日 09:30
[NHK]などが報じたところによると、先に【日興コーディアルグループ(8603)の不適正決算問題、全面的に認め、監理ポストへ】でも報じたように子会社・孫会社の間における不明瞭な会計処理で監理ポスト行きの事態を招いた件について、経営責任を明確化されるため、【日興コーディアルグループ(8603)】では週明けにも臨時の取締役会を開催し、有村純一社長ら経営トップの進退を判断することが明らかになった。
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今件は【「日興が不適切な利益計上、課徴金も視野」日経報ず】で説明されているように、日興の子会社と孫会社の間で相対取引を行い、利益が上がった子会社のみを連結対象とし、グループ企業としての利益を水増し。その決算結果を2004年に実施された500億円の社債発行の際の提出書類に記したという、虚偽記載を行ったもの。
今件について当初日興側では「一担当社員の事務的なミスが問題」と説明していたが、【証券取引等監視委員会】では「組織的な行為である」として意見は真っ向から対立。さらに一部報道で「社長・会長らの辞任へ」と報じられると[ただちにこれを否定(PDF)]するなど、あくまでも「一社員のミスによる結果」という主張をつらぬく構えを見せていた。
しかし12月22日に山本有二金融相が記者会見の中で、「健全な証券取引を行うことが経営者の義務で、今回のような事案が二度と起こらないということをはっきりと明らかにしてもらわなければならない」「日興から提出された書類を見て判断することになるが、経営トップのかかわりが明らかになった場合には責任の取りかたとして辞任もありうる」などと言及したことで、日興側でも上層部の「進退問題」判断が求められることになった。
果たして仮にトップが辞任したところで真相の究明と状況の改善が図られるかどうかは不明。だが逆にトップが辞任せずに「一社員の責のみ」とした場合には、それを確かなものと証明しなければならない。
利益計上問題そのものは一年以上前から指摘されていたのだから、日興内部ではそれなりに時間もあったはず。株主はもちろん、市場関係者からも早急な対応が求められるのは間違いないし、それに応える必要があるだろう。
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(最終更新:2013/08/23)
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