プロが語る「投資を避けるべき会社」8つのチェックポイント+1

2006年12月06日 19:30

株式イメージ【NIKKEi NeT】で連載されている「成長企業がわかる」という記事において、非常にためになりそうな、興味深い話が掲載されていた。JPモルガンのディレクター・マネージャーの太田忠氏による「昨今の株式市場の環境に対応しうる、銘柄選択に関する8か条……こんな銘柄には投資してはいけない」がそれだ。一歩間違うと言葉どおり「ババを引い」てしまいかねない銘柄選択。参考になるかもしれないということでピックアップしてみた。

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記事では8項目につき、それぞれなぜそのような「おきて」が成立しうるのかを詳細に説明している。それぞれが、あるものは「なるほどな」と既知のことがについて再認識させてくれるし、またるあるものについては「ああ、なるほど!」と感心をもって受け止めることができるだろう。

「こういう会社に投資してはいけない」8か条

(1)ビジネスモデルそのものが崩壊
(2)甘い見通し、甘い予想
(3)事業の間違った多角化
(4)社名変更
(5)株主との利益相反を平気で行う企業
(6)瞬間的好環境に現れる雨後の竹の子企業
(7)IPOをゴールとする経営者
(8)地方取引所上場企業


中には「そんなことないだろう」と突っ込みを入れる人もいるかもしれないが、多くの人は同意するはずだ。

例えば(5)。個人投資家の間では「(特異な例をのぞけば)MSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)は企業にとって魅力にあふれたうちでの小槌であり、同時に悪魔のささやきでもある」と定義づけられているくらいに、既存株主にはマイナスにしかならない。エクイティファイナンス(株式発行による資金調達)をするために上場しているのは事実だし、ゴーイングコンサーンの原則(企業は継続することを至上命題とすべきであるという考え方)に基づき企業の存続を一義的に考えねばならないのは事実。

だが、だからといって既存株主をないがしろにしてよいわけでは決して無い。容易にMSCBを乱発して株価を暴落させ、その一方で役員たちは高給取りを続け賞与もたんまりふところに仕舞いこむという有様をみるにつけ、(5)はもっとも至極な項目といえるだろう。

あえてもう一つ付け加えるとすれば、「(9)インサイダーの疑いのある株価変動をしばしば行うところ」。ここニ、三年の間、特にインサイダー取引の発覚が相次いでいるが、たいていは会社の内部関係者によるもので、それが生じた原因は社内統制がしっかりしていないことにある。

例えば上方修正や提携など、会社にとってプラスとなる情報が「場をひけてから」発表されているのに、当日の場中から突然何の前触れもなく株価が出来高を伴って上げているという話が、特に新興市場銘柄でよく見受けられる。会社側がインサイダーではないと断じても、「これはどう見ても事前情報がもれているだろう」という値動きをひんぱんに繰り返す銘柄には、近づかない方が無難である。何しろ日本国内株式だけでも数千種もの企業が投資を待ちわびているのだ。無理にそういう「リスクのある銘柄」を選ぶ必要も無い。

以上8項目(+1)についてピックアップをしたわけだが、詳細は元記事を読み、納得してほしい。そしてその上で、自分の手持ち銘柄や監視対象銘柄をもう一度見直してみると良いだろう。

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