マツダ(7261)、運搬船事故の新車4703台をすべて廃棄
2006年12月16日 18:00
【Mainichi INTERACTIVE】によると【マツダ(7261)】は12月15日、7月下旬アラスカ沖の事故で航行不能になった自動車運搬船に積んでいた新車4703台について、これをすべて廃棄すると発表したという。見た目はほとんど破損がない自動車が多数を占めていたが、船自身が一か月も60度以上傾いた状態だったため品質の保証ができず、市場に流通させるべきではないためと判断した上での決定とのこと。
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今件は7月24日、【商船三井(9104)】が運行する自動車運搬船「クーガーエース」がアラスカ沖で船体傾斜が発生し航行不能に陥ったことに端を発するもの。当時同船にはマツダの北米向け輸出車両4700台(Mazda3が60%、Mazda CX-7が30%など)が搭載されていた(【当時のリリース】)。なお乗組員は全員無事に救助されている。
自動車運搬船「クーガーエース」
船体傾斜時の様子
(商船三井側リリースより)
また9月には搭載されていた車両すべてについて、新車としては販売しない・修理不能な車両はすべて廃棄する・修理で販売可能な車両は中古車として販売される可能性はあるが調査を行った上で決定するなどと発表されていた(【発表リリース】)。今回の発表ではそれよりさらに厳密に、厳しく、「全車両廃棄」の決定となった次第だ。
また「クーガーエース」の船体傾斜の原因については、バラスト水(船の安定を保つためのおもりの水)の調整時における操作ミスだという結論に達している(【三井商船側リリース】)。
廃棄予定の車の中には新品同様のものもあるが、長期間傾斜状態におかれたことによる内部機構の変形の可能性も考えられ、中古販売はおろか寄付でも失礼にあたるとして、全車両の廃棄を決定した。損害保険に加入していたが、損害額は推定で100億円は軽く突破しており、保険ですべてをまかなえるかどうかは不明である。
なお今報道は土曜日に行われたこともあり、東証・商船三井・マツダすべてにおいてネット上のリリースは発せられていない。そのため、損害の負担など各社の正式なコメントは今のところ分かっていない。ただ、商船三井側がすでに今事故の原因は乗組員の操作ミスであることを報告しており、相当額の補償を求められるものと思われる。
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