ライブドア株価下落で年金損失48億0965万7057円

2006年12月28日 08:15

年金の運用を行う【年金積立金管理運用独立行政法人】は12月27日、積立金の運用を委託していた三井アセット信託銀行・日本マスタートラスト信託銀行・資産管理サービス信託銀行がライブドア株式を保有していたものの、強制捜査にはじまる一連の騒動で48億0965万7057円の損失をこうむったとして、この額の損害賠償請求を求める訴えを東京地方裁判所に起こしたと発表した(【発表リリース、PDF】)。

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リリースによると3信託銀行は今年1月16日(ライブドアへの強制調査)の段階で1427万4179株・63億5582万5057円相当のライブドア株式を保有していたが、その後事件の発覚と共に全株を売却。しかし株価の下落に今件の訴訟費用を合わせて48億0965万7057円の損失をこうむったとしている。

その上で年金積立金管理運用独立行政法人側は

有価証券報告書等で重要な事項の虚偽記載がなされず、上記被告の違法行為及び上場廃止基準への抵触を基礎づける重要な事実が明らかにされていれば、原告らがライブドア株の取得を行うことは絶対にあり得なかったのであるから


と断じた上で、全額の支払いをライブドア側に求めている。一方、ライブドア側では「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

行政法人側の主張はなるほど筋が通っているようにも見受けられる。しかし当時においても少々アンテナを広げてリサーチをしていれば、ライブドア株式がそれなりに「危なっかしい橋を渡りつつある」という情報は入手できていたはずだ。今年の流行り言葉になぞれば、「市場の息づかいを感じていれば、事前に売り気配があったはずだと」とでもいうのだろうか。ましてや国民からあずかった年金を運用する団体(正確にはそこから委託された銀行だが)が、そのような「リスキーな銘柄」に投資するのも問題があるといわざるを得ない。

企業側の公明正大な情報提供を前提とした「投資は自己責任」という言葉を考えれば「前提が崩れているのだから、その原則も成り立たないのでは」と意気込んでいるのだろう。が、全責任をライブドア側に押し付けるのもいかがなものかという感じもする。司法がどのような判断を下すのか、注目したいところだ。

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