井村屋(2209)、外食事業立て直し・アンナミラーズの展開再開へ

2006年12月28日 12:30

アンナミラーズで制服をイメージ【NIKKEi NeT】は12月28日、【井村屋(2209)】が現在策定中の2008年3月期からの3か年計画で外食事業の立て直しを打ち出すと報じた。首都圏で展開しているパイを中心としたアメリカふうのレストランアンナミラーズについて、再び中部や関西などにこの計画期において再出店するという。

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【メイド喫茶のはしり!?ともいえる「アンナミラーズ」がさらに縮小、3店舗へ】でも報じたように「アンナミラーズ」とはファミリーレストランの草分け的存在で、1973年に東京青山に第一号店がオープン。当初はアメリカを本拠とするチェーン店のライセンス店舗だったものの、1990年にはアメリカの本家アンナミラーズ社から日本における商標権を買い取り独自展開が進められた。

「アンナミラーズ」が知名度を上げたのはそのメニューのレパートリーもさることながら、女性店員の制服の独自性に原因がある。当記事左上のカットにもあるように、ピンクやオレンジの派手めな原色で彩られた丈が短めのスカートとエプロン姿などのデザインに、多くの男性のハートがわしづかみにされた。また、誕生日に来店するとキャンドルサービスに加えてバースデーソングを歌ってくれるという粋なサービスもある。

一昔前までは濃い趣味の人たちの集合場所によく用いられ、現在でもネット上では制服が高値で売買されているほど。亜流も含めて現在全国にその勢力を拡大している「メイド喫茶」の基本コンセプトもこの「アンナミラーズ」にあるといわれ、メイド喫茶の中には「アンナミラーズ」の制服を参考にしたところもあるという。

かつては同人系な人たちにとって聖地ともてはやされていた「アンナミラーズ」も、現在では東京赤坂の山王下店・品川のウイング高輪店・神奈川県横浜のランドマークプラザ店の3店舗を残すのみ。事業立て直しのためとはいえ、少なからぬファンには悲しい話であり、「今後さらに規模を縮小して、最終的には全店舗が閉店してしまうのではないか」という危惧すらあった。

井村屋では【第三次業務構造改革の実行(PDF)】と称する経営改革プランを4月に提示。今年度を第一次・第二次の業務構造改革で取り組んだことの成果を示す時期とし、会社設立60周年にあたる来年度を第三次業務構造改革のステップと見なし、計画を立案していた。

今回明らかになった「3か年計画」はこの「第三次構造改革」の具体的案と思われるが、元記事によると、パイやケーキなどの調理センターを東京都内から三重県津市の本社工場内に移転。態勢を整えた上で、規模縮小が続いていた「アンナミラーズ」について、(本工場から近くにある)中部や関西地区などに再出店するとのこと。

構造改革の波に飲まれそうになった「アンナミラーズ」だが、現在残っている三店舗はいずれも黒字を確保。2007年3月期も営業赤字が続く見込みではあるが、会社側ではリストラは一段落ついたとし、立案中の「3か年計画」で事業の拡大再展開を図るもようだ。

一時期は言葉どおり「滅亡」の危機に追い込まれていた「アンナミラーズ」。既存店舗が黒字が確保できていたことで、どうにか絶滅だけは回避されたもようだ。今後既存店舗のさらなる改善と共に、具体的にどの地域に新店舗が展開されるのか、気になるところではある。

(最終更新:2013/09/14)

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