ノロウイルス流行状況悪化中、平均値で「全国すべてに警報」値の20人を超し21.8人に
2006年12月16日 07:45
【国立感染症研究所】は12月15日、2006年第48週の感染症胃腸炎の定点あたりの報告数を6万5638であるとし、定点あたりの報告数が21.8と観測をはじめて以来最高値であった前回計測週をさらに上回ったことを明らかにした(【感染症発生動向調査週報】)。1観測地点あたり20.0を超すと「警報」が発せられるため、平均的数値から考えると「日本全ての地点で警報が発せられた」のと同意になる。国立感染症研究所や【厚生労働省】では感染予防のさらなる徹底を呼びかけている。
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研究所では全国3000か所の小児科で定点観測を実施しているが、11月27日から12月3日の患者報告数は【ノロウイルス流行、過去最大・45都道府県へ警報。空気感染の可能性も】にもあるように1981年の調査開始以来最多の19.8人だった前週をさらに上回った。先の記事にもあるように1地点あたりの報告数が20人を超えると、注意喚起のために保健所単位で「警報」を発することになるが、現在全国の570保健所のうち青森・沖縄をのぞく45都道府県の293保健所で警報が発せられている。
先のレポートでは「すでにピークは過ぎつつある」としていた国立感染症研究所側でも今回のレポートでは、「例年、感染症発生動向調査による報告のピークは12月中旬以降となることが多く」としており、今後さらに状況は悪化する可能性がある。
感染性胃腸炎の年別・週別発生状況(1996年~2006年第48週)
なお都道府県別では福井県・富山県・群馬県・三重県・埼玉県などで特に報告数が多い。当初は西日本を中心に患者発生の増加が見られていたが、最近では中部・関東地域でも増えつつある。
ノロウイルスに対する注意事項は先に示したとおり。厚生労働省でも【ノロウイルスに関するQ&Aについて】で注意を呼びかけている。気をつけるべきは、ノロウイルスは中性洗剤による消毒では効果がないこと。また、ウイルスに感染して発症しなかったり症状が治まっても体内にウイルスは残るため、自分が気がつかないうちに周囲に感染させる場合もある。自分自身はもちろん、周囲に体力の弱い人(子どもや病人、お年寄り)がいる場合は通常以上に衛生状態に留意しよう。
■関連記事:
【ノロウイルス感染症とその対応・予防(PDF、外部)】
【東京都が「ノロウイルス警報」発令、感染性胃腸炎が大流行中】
(最終更新:2013/08/24)
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