ヤフー、「ブラッド」などの漫画コンテンツを無料連載・2007年1月から配信開始

2006年12月19日 12:30

インターネットジイメージ[ヤフー(4689)]は2007年1月から、先に休刊しウェブ上での展開に切り替えた「月刊少年ブラッド」のコンテンツなどを同社の検索エンジン【Yahoo!】上の1コーナー【ヤフー!コミック】上に掲載していくことを明らかにした(【発表ページ】)。「ブラッド」のコンテンツは1月16日からの掲載となる。スタート時の掲載作品数は22。平日毎日更新予定。

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先に【ソフトバンクグループの「月刊少年ブラッド」、今月号で紙媒体としては休刊、Webに移行】でも報じたように紙媒体としての少年漫画雑誌「ブラッド」は休刊となり、今後は連載をウェブ上【Web★ブラッド】で行うことになっていた。今回の発表により、それがヤフーの1コンテンツとして「FlexComix ブラッド」の位置づけを果たすことになる。

リリースによると「FlexComix ブラッド」ではこれまでの連載が継承されるだけでなく、新連載も予定されているとのこと。サイトでは各作品の第一話と最新話を閲覧でき、1月から2月は特別に過去のバックナンバーも限定で掲載するという。

掲載予定作品は次の通り。

「アクト・オン!」神矢みのる/「X-assault-イグザルト-」原作:宗原光流 作画:シヒラ竜也/「エミル・クロニクル・オンライン外伝 デルタサーガ」津々巳あや/「HOLA!!-オラ!!-」高山瑞穂/「ガレキの王~The King of Debris~」麻生雄介/「キョンシー仙女」鳥居大介/「クラシカルメドレー」歌那早苗/「拳鋼少女 リク」弐篠重太郎/「源流武闘伝-ORIGIN-」フカキショウコ/「ことこと。 ~子と孤島~」竹林月/「シチ=フク」渡辺とおる/「神羅万送デリバリア」こやま基夫/「すいへーりーべ!」吾妻ナオミ/「デカ教師」馬場民雄/「ねこもころ」乙佳佐明/「働け!! モトレンジャー!!」珠月まや/「ヒャッコ」カトウハルアキ(旧名:珈琲)/「ファンブル5」桝田道也/「不思議流」不思議三十郎/「ブレイク ブレイド」吉永裕ノ介/「ホームズ・ツインズ!」原作:シナリオ工房 月光 作画:辻野よしてる/「まじょま」神吉/「マップス ネクストシート」長谷川裕一/「本の元の穴の中(もとのもとのあなのなか)」天乃タカ/「ユルミとシメル」こいでたく/「Leader's High!」神堂あらし


また、新連載としては「マップス ネクストシート」(長谷川裕一)、「神曲奏界ポリフォニカ カーディナル・クリムゾン」(原作:榊一郎/ocelot 漫画:緋呂河とも)、「蒼き狼 地果て海尽きるまで」(漫画:日暮央 原作:森村誠一「地果て海尽きるまで 小説チンギス汗(上下)」(ハルキ文庫))などが予定されている。

ヤフー側ではグループ企業内部の作品だけでなく、大手他社の出版社との交渉も開始し、ヤフー!コミックへの掲載を呼びかけていくという。同サイトを宣伝媒体としてとらえ、「続きが気になったら、あるいは過去の作品が読みたいと思ったら買ってくださいね」という動きを狙えるというメリットを提示できるあたり、日本国内最大手の検索エンジンであることの強みが活かせる。一方ヤフー自身としては、閲覧者の増加による広告収入の拡大、さらには有料の電子コミックの販売促進を狙える。

ソフトバンク系列では以前ゲーム情報サイトGameSpot絡みで、ゲーム情報誌に連載されていた漫画との連携企画漫画や、Web独自の連載などがウェブコミックとして掲載されていた。一部は記事右部にある『ボブ&キース』などのように、作品がまとまった時点で単行本化もされている。

コンテンツをウェブと紙媒体の両方に展開し、有益に活用するという発想は悪くない。ウェブ上で漫画を閲覧できるようになるのも、ウェブ閲覧の楽しみ方の一つとして提案できるだろう。【週刊モーニングが入手困難な25作品を「ebookjapan」内特設サイトで配信開始、一部の無料立ち読みもOK】【講談社、会員に漫画無料配信のサイト「Michao(ミチャオ)」開設】にもあるように、紙媒体の販売促進にもつながるのなら、多少の手間はかかっても出版社にもメリットは大きい。

一つ(杞憂かもしれないが)懸念事項を挙げるとすれば、作家陣の原稿料が紙媒体のそれと同等のレベルで保証されるかどうかということ。紙に直接描き上げる漫画同様に手間隙苦労がかかるにも関わらず、「パソコン上での絵描きなら簡単だから(という誤解)」「なかなか採算が取れなくて(という運営側の言い訳)」などの理由で、まさに「買い叩かれる」程度の原稿料しか支払われない話は良く聞く(漫画に限ったことではないのだが)。これでは作家陣のモチベーションは上がらず、結局読者も辛い思いをすることになる。

採算が取れにくいというのなら、何らかの手法を考えて作家をサポートし、保証するような仕組みを提供しないと、ウェブ上の漫画展開は長続きしないかもしれない。


(最終更新:2013/08/23)

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