思わず「アマーい」!? 日本製粉(2001)などがスイートコーン並の甘さを持つ小麦の開発に成功
2006年12月13日 06:30
【東北農業研究センター】と【日本製粉(2001)】は12月12日、従来の交雑育種を応用することで、遺伝子組み換え技術を用いることなく甘い小麦「スイートウィート(Sweet Wheat)」の開発に世界で初めて成功したと発表した(【発表リリース】)。糖度はスイートコーン並の22.2度。粉にしても糖含量を維持できるため、パンやケーキなどに独特の風味や食感、自然の甘さを加味できるとし、期待を集めている。
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小麦は元々約7割が炭水化物。さらにそのほとんどがアミロースとアミロペクチンというでんぷんで占められている。ここに東北農業研究センターなどは着目し、アミロースを合成する酵素がない小麦と、アミロペクチンの側鎖を伸ばす酵素がない小麦を開発、交配させた。
さらにDNAの配列を調べて、目的の遺伝子が機能しているかどうかを調べる「DNAマーカー選抜技術」によって分類を行い、その中から2種の酵素(澱粉合成酵素I型、同II型)が両方とも存在しない小麦を選抜。受粉から25日経った種子の糖分を調べたところ、通常の小麦ではほとんど見られない麦芽糖(マルトース)を多く含んでいたという。
今回の研究の過程では「スイートウィート」以外にもさまざまな変化を見せている小麦が発見されており、その中には「スウィートコーン並に甘い」以外の有益な特性を見せる小麦が存在する可能性もあるとリリースでは指摘している。
遺伝子組み換えも行わずに、とうもろこしの甘さと同等の甘味を引き出す小麦粉というとちょっと想像がつかないが、現実に作り上げられたのだから驚くほかない。(スウィートコーン同様に)砂糖そのものと比べると甘さは多少低く、質は違うが「スイートウィート」が「甘い」ことも事実。菓子パンやパンケーキミックス、健康食品など、さまざまな分野での展開が期待できる。製品化はまだ先の話だろうが、今後の展開を待ち望みたい。
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