タイ、金融政策の変更で株価急落、一日で過去最高の下げ幅・14.8%の下落
2006年12月20日 06:30
12月19日のタイ・バンコク株式市場は、タイ中央銀行が前日発表した通貨バーツに対する投機買い規制を嫌気し全面安の展開。主要株価指数(SET指数)の終値は前日終値721.85バーツ比で14.8%安の622.14バーツになるなど、1997年におけるアジア通貨危機の際の下落を上回る過去最大の下げ幅となった。今回の急落は先日12月20日の東京株式市場で後場に急落する一因ともなり、世界市場への影響が懸念される。
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今回の下落原因となった為替投機への規制とは、タイ中央銀行が18日に決定したもの。タイの金融機関でバーツを購入する場合、7割だけがバーツに両替され、残り3割は外貨のまま金融機関に保管される。1年後に資金が国外に出なかったことが証明できれば、全額が返還されるというもの。つまり取引額の3割は強制的に外貨のまま中央銀行への預け入れが行われることになる。さらにこの規制に反した場合、中銀に保管されている外貨の3分の1が没収されるというルールも設けられた。
直接投資には証明ができれば全額が返還される、タイ国外の投資収益のタイへの送金は適用外、2万ドル以上から適用などの該当外ルールもあるが、この中銀の発表は海外投資家の反発を招いた。そしてタイ株式からの引き上げ(売り・換金)がいっせいに行われたため、今回の株価急落をもたらしたもよう。
【タイ株式市場のチャート】。30分間の臨時取引休止期間をはさみ、急落が続いているのが分かる。
19日のタイ株式市場取引では下落幅が10%を超えた時点で30分間取引が停止された。しかし再開後も下落に歯止めがかからず、一時は587.92バーツ(前日終値比で18.6%安)まで下落している。
幸いにも直後のアメリカ・ダウ市場では影響は最小限に留まり、むしろ引けにかけて前日比プラスに転じており、30.05ドル高の1万2471.32ドルで場を終えている。
昨日から大きな影響を受けた本日の東京株式市場が、タイ市場の動向とその後のアメリカ市場の反応を受けて、どのような展開を見せるのか、注意深く見守りたいところだ。
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