お金持ち限定SNS「YUCASEE(ゆかし)」完全招待制でスタート
2006年11月16日 06:30
【アブラハム・グループ・ホールディングス】は11月14日、15日から純金融資産1億円以上の富裕層限定のSNS、【YUCASEE(ゆかし)】を開設すると発表した(【発表リリース】)。会員登録そのものは無料だが、今のところは同社が提携する会社からの特定「お得意様」としての推挙があった人のみ招待される。
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リリースで説明されている
「ゆかし」のターゲット層
リリースによると提携企業は宇宙旅行、プライベートバンク、資産運用、高級外車など、富裕層とゆかりの深い業種ばかり13社となる予定。【NIKKEI NeT】によるとバンク(UBS銀行)/資産運用(日興コーディアル証券)/宇宙旅行(JTB)/海外名門学校留学/クレジットカード/高級自動車/高級ラグジュアリー/不動産/オークション/ワイン/インテリア/シニアレジデンスということらしい。
会員登録には、これら企業からの招待が必要になるし、登録にあたっては安全性や信頼性の確保から、アブラハム社による電話審査での本人認証が必要になるという、気合が入ったものとなっている。
「YUCASEE(ゆかし)」は従来のSNS機能だけではなく、会員同士が相互に質問や回答をする機能やクチコミ・ランキング機能を有している。いわば「富裕層による、富裕層のための、富裕層限定メディア」と同社では定義している。また「ゆかし」という言葉そのものの由来だが、 「見たい、知りたい、会いに行きたい」という意味の古語で、SNSの本質を捉えている、富裕層は日本文化に対する愛着が強いことから命名したとのこと。
中に入ることができないので機能の詳細は不明だが、上記日経の記事によれば、記事の各パラメータのランキングを表示することで、最新のトレンドを確認でき、それが新しい消費の潮流を生む可能性を秘めているという。ターゲットが富裕層なだけに、「動き出せば」大きな流れとなることが期待できる。
「YUCASEE(ゆかし)」の収益モデルは参加している企業からの利用料や、企業コミュニティにおける販売成果報酬とのこと。ということは「YUCASEE(ゆかし)」内で参加企業が特別商品やサービスの販売、あるいは広告活動を行うことを容認しているのだろう。2007年7月までに6億円もの収益を見込んでいるというコメントにもあるように、大きなキャッシュフローを期待しているようだ。
「YUCASEE(ゆかし)」のモデルイメージ。ビジネスと深く結びついた、ある意味で本島のSNSと呼べるものになるかもしれない
同社では今回、富裕層限定のSNSを立ち上げビジネス化したことについて「純資産1~5億円の世帯が国内82万世帯。向こう3年で、そのうち半分(40万世帯)を弊社ユーザーとして取込みたいと考えている。日本国内の消費活動において、約8割を占める富裕層をより活性化し、新たな消費の提案によって楽しませる仕組み作りができるよう今後も心掛けたい」としている。
「2割のお客さんが、8割の利益をもたらす」とはパレートの法則としてよく知られた話だが、アブラハム社でもこの「上位2割をすくいあげることで8割の経済活動を把握しよう」ということなのだろう。近世のイギリスや明治大正時代のイメージとして容易に浮かび上がる、「富裕層の社交(紳士、秘密)クラブ」のネット版というところだろうか。参加企業としても「上得意様」を増やせる可能性がグンと増えるわけで、メリットは大きい。
問題は肝心の「富裕層」がこのようなSNSに興味があるのか、パソコン上からちまちまとキーボードで入力して情報収集をするライフスタイルを採っているのかということ。IT関連で成功した「ヒルズ族」のような人たちは興味があるだろうから、あるいは彼らが集まる場になるのかもしれない。
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