デジハリでの『Second Life(セカンドライフ)』無料セミナーレポート……4
2006年11月02日 08:30
【デジハリ、「Second Life」研究室を設立し12月からは専用講座を開講】でお伝えした、【デジタルハリウッド】によるネットワークゲーム【Second Life(セカンドライフ)】の無料セミナーのレポートその4にして最後の項目。気になる質疑応答の中身を。
スポンサードリンク
セミナーの最後には質疑応答が行われた。それらの内容について、かいつまんで基本的に箇条書きで書き連ねていく。
Q.日本でプレイする場合、外為法との関係は。
A.基本的に問題なし。『セカンドライフ』ではサイバースペース内の通貨・トークンでやり取りされる。そしてそのトークンと現実のお金が市場でオークション形式にてやりとりされる。日本の場合は(必要ならば)トークン→米ドル→日本円でそれぞれ交換される(換金ではない)。世間一般の物販オークション(や両替)となんら変わるところはない。
ただ日本では最近になってゲーム内通貨と現金との「リアルマネートレード」に関する社会的倫理上の問題が指摘される風潮がある。今件については慎重に考慮する必要があるだろう。
Q.著作権は?
A.『セカンドライフ』内で構築された創造物はゲームメーカーにではなく、製作者に著作権が存在するという判例がニューヨークの裁判所で認められている。
Q.日本の各種法律行為は『セカンドライフ』上で通用するのか。
A.例えば『セカンドライフ』内でその資格が無いのに「自分は弁護士である」と詐称して行動をすれば、それは問題となる。ただ、そのような「資格詐称」をするのでなければ問題はないと思われる。問題行為に対する受付窓口もあり、しかるべき対処もシステム側からなされることもある。
Q.特定の場所を探し出す「サーチ」機能について、この検索結果を順序だてるアルゴリズムは存在するのか。もしあれば、俗にいうSEOなどはありえるのか。
A.検索結果に表示させるためにはゲーム内通貨を支払って登録する必要がある。そして検索結果は「アクセスした人」の多い順に上位表示がされる。
Q.初心者がログインすると怪しげな人(プロフィールに何も書いていないなど)が近寄ってくることがある。プレイは安全なのかどうか。
A.『セカンドライフ』に住む人は多種多様であり、よくない人も多い。例えば0ドルというように見えるアイテムもいざ拾ってみたら課金されるタイプのアイテムで、値段の部分が巧みに隠されていた、などという事例も報告されている。妖しいと思ったらさっさと移動するなりログオフするのが一番。
Q.ここ一か月の間に、登録者数はもちろんだがそれ以上にアクティブユーザーが増えた。これはなぜか。
A.ロイターやヤフーなど一般の媒体で報道されたせいもある。この時期の新規ユーザーの中にはビジネス関連の人・高年齢層が多い。そういう人が試しにプレイしているのかもしれない。また経済活動の活性化により「実際に何かやろう」という、モチベーションが上がった人が増えたのだろう。
Q.現実世界で有名な人が『セカンドライフ』内で活躍する事例はあるが、逆に『セカンドライフ』内で知名度の高い人が現実世界で名を挙げた例はあるのか。
A.『TRINGO』が好例として挙げられる。
Q.データ量制限や他のデータ(モデラー)からのインポートは?
A.1島につき15000オブジェクト。シェーディングは対応せず(グラフィックボードに依存)。モデラーでのインポートは出来ないが今後対応する可能性はゼロとはいえない。『セカンドライフ』では基本図形をベースに構築されている。ネットワーク上におけるオブジェクトの表示をスムースにするためにこの方法が行われている。
Q.日本語版はどこが日本語化されるのか。
A.メニュー、説明書きは英語で書かれたものは英語表示。
Q.英語がしゃべないとハードルは高くなるのか、ジェスチャーなどの代替案は?
A.通常は英語だが、ゲーム内でツールを作っている人がいて、そのツールの中に翻訳ツールもあるようだ。コミュニケーション手段としてはインスタントメッセージだが、そこでチャットをやると意味が伝わるくらいな翻訳が行われるようである。ボイスコミュニケーション機能も追加予定。
Q.一個人のアイテム制限数は?
A.島を持っていない個人単位で物を作る場合は、持つ保有制限数や場所の制限などがある。ただ、アイテムをしまうポケットにはいくらでもアイテムを入れられる。一般の場に出すときに制限が関係してくることになる。
Q.車などの乗り物は?
A.ポケットに入れることはできるし、土地のオーナーが許せば置いて使える。
Q.日本語版はいつごろか。
A.現段階では開発レベルではほぼ終わっているがまだ一部……。サービス開始は「準備中」であり、逐次情報を出していくとしかいえない。
Q.実際の企業がゲーム内で商品などを展開した場合、それらが表示されている画像をブログやサイトで展開するのは(著作権法上)問題があるのか。
A.著作権は製作者側にあり、製作者側がOKといえば問題なく使用できることになる。企業が作った場合はプロモーションとして作ったのだからどんどん使ってよいということなら使っていいし、駄目と言われている場合は使うのは望まれない。画面を使ってよいかどうかはそのアイテムを作った側の問題になる。
ウェブに出した時点で公共のものになるという観点もあれば、「自分のデザインだから駄目だ」という意見もある。作った側のスタンスによる。アイテムにはプロパティとして色々なコメントが入れられる。そのコメントを確認して使用してよいかどうかを判断するべきだろう。
Q.120万人という数は、広告展開をする市場としては狭いような気がする。日本でも知られている会社が支店を設けたり商品展開をしているのも、『セカンドライフ』の世界そのものに市場価値があるというよりは、そこに何らかのアクションを積極的に起こすことによる話題性での宣伝効果を求めているのではないか。
A.その指摘は完全には否定できない。ただ、どちらか一方というわけではなく、両方の思惑があるのだろう。今後注目をさらに集めユーザー層が広まり人口も増えることで、本来の宣伝・市場調査価値がさらに高まるものと思われる。
一部では【技術のある2ちゃんねらーな人たちが独自のコミュニティを形成している】という話ももれ伝わっている。日本語でのサービスが開始されれば、日本国内でも今まで以上に話題に登るようになり、日本人プレイヤーも増えるようになるだろう。展開次第では『セカンドライフ』内に新しい文化を生み出すきっかけになるくらいに普及するかもしれない。そのサポートとしてデジハリがどこまで助力できるのか、見守りたいところだ。
■一連の記事:
【デジハリでの『Second Life(セカンドライフ)』無料セミナーレポート……1】
【デジハリでの『Second Life(セカンドライフ)』無料セミナーレポート……2】
【デジハリでの『Second Life(セカンドライフ)』無料セミナーレポート……3】
【デジハリでの『Second Life(セカンドライフ)』無料セミナーレポート……4】
スポンサードリンク
ツイート