セミナーは『セカンドライフ』に興味がある人を対象に開かれたが、実際にすでにアカウントを取得してプレイしている人は約半分だった。また続柄は雑誌記者以外に当方のように「興味を持つただの人(なのか?)」、CGデザイナー、ゲーム業界関係者、さらには広告代理店に属する人もいたようだ。世界に冠たる大企業たちが次々と支店を設置したゲームとあれば、状況のリサーチに来たとしてもおかしくはあるまい。

セミナーの前半は『セカンドライフ』のゲームそのものの説明と、実際に世界の中を歩きながらその機能についての実演が、司会でデジハリで『セカンドライフ』の研究室研究員・セミナー講師である大槻透世二氏によって行われた。

『セカンドライフ』というゲームの特徴は大きく4つある、という概要説明からセミナーは開始。いわく

ということだった。ビジネスのスタイルは多種多用で、すでに当サイトでも何度か紹介したように大企業がプロモーションやマーケティングリサーチのために用いつつあるが、例えばゲームのデモを『セカンドライフ』上で行い、正式版の紹介サイトへ誘導するとか、看板を設置してクリックすると対象サイトに移行するとか、逆にネット上のサイトでバナーを設置してクリックすると『セカンドライフ』へログインして特定の場所に瞬間移動するなどの「仕組み」が行われている。

また、一例として『セカンドライフ』内で提供され大ブームを巻き起こした【TRINGO】というゲームがゲームメーカーの目に留まり、ゲームボーイアドバンスで発売されることになったという事例も説明された。他にも土地取引やアイテム売買、さらにはそれらの取引の仲介業をなすことで生計を立てる人も少なくなく、中には年収2000万円を勝ち得る人も出てきているという(【事例として挙げられたSL Exchange.com】)。

成功事例として紹介された、マッチングサービスサイトSL EXCAHNGE.com。土地に限らずさまざまなマッチングサービスを行い、その仲介料でビジネスを成立させている。

その他に、『セカンドライフ』内で企業がさまざまな経済活動を行う際のありとあらゆるサポートを行う、総合請負会社【The Electric Sheep Comapny】の事例も紹介された。

『セカンドライフ』では、プレイしている人が現実社会における職業が反映できるところが良いところだと指摘する人もいる。服飾デザイン関係の人は『セカンドライフ』内でもさまざまな服のデザインをして他人にアピールし、航空機ファンな人は島を買い取り、そこに飛行場を創り多種多彩な飛行機を送り出し、販売しているという。なおアイテムは基本的にすべて無料で材料を作り出せ、加工し、生成できる。つまりは腕次第というわけだ。

また、ビジネスとは微妙に違うが、リアルプレイヤー形式でストリーミングの動画を流し、講演や授業を行うケースも紹介された。先に【ロイター通信がネットゲーム「Second Life」内に支局を設立～1】でもお伝えしたロイター通信支社でもこの方式を用いている。

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