RMTで不法売買した中国人留学生逮捕、送金額は1億円以上

2006年11月23日 13:00

【asahi.com】によると熊本県警などは11月22日、オンラインゲームの仮想通貨やアイテムを現実の貨幣で売り、現金収入などを得てビジネスをしていたとして、熊本市内の私立大学に通う中国人留学生王悦偲容疑者(23)を、出入国管理法違反(資格外活動)の疑いで逮捕した。王容疑者は容疑を認めている。RMT(リアルマネートレード)の摘発の際に、留学生の資格外活動の観点から絡めるのは九州では初めてだという。

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記事によると王容疑者は留学目的で来日し、就業ビザが無いにも関わらず、4月14日から5月23日にかけて、オンラインゲームの【リネージュII】でゲーム内仮想通貨や武器などのアイテムを集めて現金で売買し、約600万円を得た疑い。2004年4月に中国・桂林から交換留学生として入国、その1年後から自費で滞在していたという。入国以来、RMTで約1億5000万円を稼ぎ、そのうち1億円以上が中国に送金された疑いがあると元記事では報じ、送金の目的や背後関係についても調べるとのこと。

よほどの運と実力がない限り、一人で2年の間にRMTで1億以上も稼ぐのは不可能である以上組織立てた集金システムを構築したか、あるいは不当・不正プログラムによるアイテム・仮想通貨の取得の可能性も十分に考えられる。資金の中国への送金の点で外為法絡みで問題になるのはもちろん、『リネージュII』では利用約款 第14条(ユーザーの禁止事項)14項にある通り、RMTは禁止されているため、禁止事項に反した行為による大規模な現金取引として、運営会社であるエヌ・シー・ジャパンから損害賠償請求を受ける可能性もある。

仮に不正行為により取得した仮想通貨やアイテムの売却益であるとすれば、【ガンホー、元職員の『RO』通貨詐取に関し7486万円の損害賠償請求民事訴訟を決議】の例にもあるように売却した売上そのものを損害賠償請求の際の請求額として要求される可能性もある。関係方面の調査をまたねばならないが、「別の目的で日本にやってきてインチキやってRMTで大儲け♪ 捜査の手が伸びる前に帰国しちゃえば稼ぎ得」などという困った前例とならないよう、捜査当局も運営会社も厳格に対処してほしいものだ。ルールは守るためにあるのだから。

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