東証、上場に向けて買収防衛策の導入検討へ
2006年11月21日 12:30
【Mainichi INTERACTIVE】が報じたところによると、【東京証券取引所】の西室泰三社長は11月20日、2009年に上場を目指している東証の買収防衛策について、何らかの形で導入を検討していることを明らかにした。日本記者クラブ内の講演で語った。
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東証は2001年に株式会社化し、昨年から相次ぐさまざまな事件などで多少スケジュールが遅れてしまったものの、2009年までに東証自身を上場する予定。さらに【ニューヨーク証券取引所、東証に本格的な提携提案。株式持合いも示唆】にもあるように、ニューヨーク証券取引所など海外取引所などと資本や業務提携の協議をしており、証券業界から「買収防衛策は事前に整えておくべきである」との話が相次いでいた。
東証の西室社長はこの防衛策について、「取引所は一般企業とは性格が違い、安定的で公正な運営が求められており、社内で議論している」とし、東証内ですでに具体的な検討に入っていることを明らかにしている。
現在審議中で来年2007年に施行予定の金融商品取引法では、証券取引所の株式は、海外のファンドなど一つの株主が議決権の20%以上を保有できないルールになっている。このルールがあるため、東証側では上場呉の買収防衛策の導入について、これまでは否定的だった。しかし今回東証側が独自の防衛策を明らかにしたことで、この20%ルール以外にも何らかの形で具体的な買収防衛策が導入される可能性が高まったといえる。
上場するということと買収防衛策を強化するということは相反する矛盾した行動である、とするとらえ方もある。だが両方を同時に行いたいという考え方も分からなくはない。「(大義名分として)公正明大さを追求するため公開する」「資金調達を容易にする」という上場のメリットは、それだけ大きいということだ。
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