「ハマ経」「アキバ経」などネット上の地域社会新聞続々オープン
2006年11月18日 18:30
【asahi.com】に、全国各地の繁華街の動きをニュースにまとめて新聞化し、「●○経済新聞」という名前でサイトを構築する試みが拡大中との記事が掲載されていた。それぞれの編集部は小さく、コアなネタが多いが、逆に地域の細かな話題をピックアップするということでさまざまな利点がある。各地の流行、つまり「旬の街」の動きが一覧できるのも魅力だという。
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元記事では【シブヤ経済新聞】の編集長の身上や、編集部のようすがレポートされている。コンセプトは若者向けメディアは多くても、大人の目線で伝えるメディアがない。ならば自分たちが創ってしまおう」というもの。2000年に創設された。スタッフは3人、1日最低4本のニュースを掲載し、月間アクセスは100万人以上。
この試みを他の地域にも、ということで、NPOの協力を得て2004年には【ヨコハマ経済新聞】が創刊。こちらの記者は「横浜に関連する約1000のサイトやブログの更新情報を常時監視するプログラム」をパソコン上に組み込み、ニュースをチェックしているという。恐らくは、関連するサイトを片っ端からチェックし、それらのRSSを取得するRSSリーダーを用いているのだろう。大手ニュースサイトが用いている手法とほぼ同じである。
この流れは加速し、記事によると今年中には札幌から沖縄まであわせて17か所になる予定。ヨコハマ経済新聞などのリンク集からは、この記事を書いている現在、11か所の「ネット地域経済新聞」が確認できる。運営するのは各地のIT企業やテレビ番組制作会社、出版社など。本業を持つ会社が副業として行うため、地域への社名の浸透という相乗波及効果も期待できるし、広告に過度に依存せず、好きなことを書けるメリットもあるという。将来は他サイトへの配信料金や各紙の集約・ポータル化で広告収入の増加を見込んでいる。
紙媒体の世間一般にいわれている普通の「新聞」を創設・発行するには、流通ルートの確保や印刷代の負担など、どうしても大きな資本力が必要になる。その点、ネット上で「新聞」を配信することで、運営コストをおさえることができ、身軽にもなれ、地域社会に密着した情報を配信できるようになる。集客も地域性が強まり、結果として広告価値が高まることから(地域性のある)広告出稿が望めることになる。
現在のところは運営コストと広告収入のバランスにまだ難があるようだが、今後インターネット広告が社会的に今以上に認知され、ネット広告費への傾注が高まることで、このような「ネット地域新聞社」が運営できる財務的地盤が整うことだろう。今後ますますこのような「新聞社」が登場し、市場淘汰を受けながらも成長していくに違いない。
さらに元記事でも多少触れられていたが、これらの地域新聞をポータル化したサイトも登場することだろう。
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