厚生労働省、「先進医療」の消費税を非課税にして患者負担を軽減へ

2006年11月05日 18:30

時節イメージ【NIKKEi NeT】によると【厚生労働省】は保健診療との併用を例外的に認めている先端医療技術である「先進医療」の患者負担について、これまでは課税対象としてきた消費税の取り扱いを見直し、これを非課税とすることを決めたという。患者負担を軽くするのが目的。

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「先進医療」とは「高度先進医療」とも呼ばれるもので、大学病院など医学技術の最先端をいく医療機関で行われる先端医療の一種。欧米で認められていても日本国内ではまだ未承認の技術などのうち、厚生労働大臣の承認を受けたものをいい、その医療実施のためには病院でも承認を受ける必要がある。

通常の保険診療では一部例外をのぞいてすべての医療費が保険の対象となり、患者は一部負担金(原則三割)を払えばよい。また、一定額以上は払い戻される「高額療養費制度」の適用もある。しかし「先進医療」では

・先進医療部分の特別料金の部分
 →保険対象外。全額を支払う
・通常保険診療と共通する部分(入院や投薬など)
 →保険対象として一部負担でよい


の違いがある。さらにこれまでは特別料金部分について消費税も課せられていた(【参照:先進医療の概要について】)。

今回厚生労働省が税務当局と調整して全国の社会保険事務局などに出した通達では、この「先進医療」についてこれを消費税の課税対象外にするもの。技術が進歩し条件が整えば、将来的には「先進医療」は「通常医療」となり、すべてが保険対象となり、非課税対象ともなる。この非課税扱いを先取りした形だ

厚生労働省では「先進医療」について112種(通常94、時限的18)の技術を指定し、約2000の医療機関で実施することを目指している(【一覧】)。

本来ならすべて保険対象となればベストなのだが、さまざまな調整などがあり、先進医療すべてを保険対象とするのは難しいのだろう。とはいえ患者からしてみれば、「保険対象外でも診療を受けたい」という一方「受けたいけど医療費が……」という考えを持つ人も多いはず。消費税の負担がなくなるだけでも、相当楽にはなるはずだ。

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