「牛角」「am/pm」のレックスホールディングス(2688)、経営陣による企業買収(MBO)で非公開化へ

2006年11月11日 08:00

株式イメージ焼肉チェーン店「牛角」や、コンビニエンスストア「am/pm」を運営する【レックス・ホールディングス(2688)】は11月10日、経営陣による企業買収(MBO)を行い、株式を非公開化すると発表した(発表リリース、PDF)。

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リリースによると今回のMBOでは、アドバンテッジパートナーズ有限責任組合が設立した投資事業有限責任組合のアドバンテッジパートナーズ エム・ビー・アイファンド三号が設立した株式会社AP8を通じ、レックスホールディングスの株式100%取得を行うというもの。要は「直接MBOをするには資金が不足しているので、資金面で手助けしてくれるところにまずTOB(株式公開買い付け)をしてもらい株式の完全取得を願う。そして経営陣がその会社に出資してMBOを果たす」というもの。今回のMBOについては、従業員からの出資によるものも含めたMEBO(マネジメント・エンプロイー・バイアウト)についても検討されているという。

最初にレックスホールディングスに対して行われるTOBにはすでにレックス側は賛同の意を示している。このTOBは23万円を買い取り価格として設定。12月12日まで行われ、最低でも過半数の13万5421株を買い付け、最低数以上ならすべてを買い付ける。この買い取り価格は11月10日終値である21万9000円に対し約5%の上乗せ価格となる。

今回のMBO(MEBO)の理由についてリリースでは「上場しているとレックスの理想とする企業構築が出来ない。昨今において利益成長が鈍化したのはそのせい。よって、抜本的な改革をすめには一時的な利益の下方修正や成長の鈍化も覚悟する必要があり、公開会社ではそれが難しいため」と説明されている。実際、今回の発表の際に記者会見をした西山知義社長も「抜本的な改革を断行するため、短期的には既存株主の要望に沿えないリスクがある。中長期的に支援してくれる少数株主に経営を一本化する必要がある」と述べている。

今回のレックスの件に限らず、「企業改革をするからMBOをする」というパターンが相次いでいる。先日MBOが成功裏に終わり上場廃止が決まった【キューサイ(2596)】や9月19日で上場廃止となったすかいらーくが記憶に新しい。このような流れの原因としては、

・経済状況、環境が大きく変化し、経営の根幹や組織の大規模な変革が必要
・上場のメリットが無く、無理に上場を維持する必要が無い
・投資ファンドなどが金余り現状を起こし資金の投資先を求めている


などが挙げられる。以前はグループ子会社の吸収合併や持ち株会社化などが「流行って」いたが、今後は今回のようなMBOによる非上場化が流れとなりそうだ。

レックスの発表にもあるように、「正直、既存一般株主は邪魔」という意図が見て取れるが、一般株主の中にも賛同する人は少なからずいるだろう。それらに対しても、「株を差し出す」という意思表示しか選択肢を与えられないのは少々疑問が残る。「ならば最初から上場などしなければ良いではないか」「単に市場から金を吸い取るため、金集めのために上場し、必要がなければ手切れ金を支払ってポイ捨てするのか」と揶揄されても仕方ないような気がするのだがどうだろうか。


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