「タグ貼って気軽に宣伝」のアフィリエイトプログラム技術特許をA8.netの会社が取得

2006年11月10日 12:30

インターネットイメージアフィリエイトプログラム(代理店システム、アソシエイトプログラム)サービスのA8.netを提供している【ファンコミュニケーションズ】は11月9日、アフィリエイトプログラムに関するビジネスモデル特許について、【特許庁】から特許成立を認めるとの審査結果を受理したと発表した(【発表リリース】)。

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リリースによると同社が特許出願をしたのは、A8.netサービスを開始した2000年で、出願特許は「ネットワーク広告配信管理システム及びネットワーク広告配信管理システムの管理サイト装置(特許番号:特許第3863365号、出願年月日:2000年10月5日)」。

特許内容は9つの請求項で構成され、主として「成果報酬型の広告配信ネットワークであるアフィリエイトプログラムにおいて、その成果を捕捉するための仕組み」と説明されている。同社いわく、「ソフトウェアを導入しないで、簡単なタグを広告主の購入(または資料請求)完了ページに貼るだけの仕組みを発明・開発いたしました。」とのこと。

【特許庁の公開情報検索ページ】から、「ネットワーク広告配信管理システム」のキーワードで検索すると7件が該当するが、そのうち今件は、

出願番号 : 特許出願2000-306223
出願日 : 2000年10月5日
公開番号 : 特許公開2002-117318
公開日 : 2002年4月19日
出願人 : 株式会社ファンコミュニケーションズ
発明者 : 松本 洋志 外1名
発明の名称 : ネットワーク広告配信管理システム及びネットワーク広告配信管理システムの管理サイト装置

【課題】 広告主及びアフィリエイト代行サービス会社のいずれにおいても、負担が軽減されるネットワーク広告配信管理システム及び管理サイト装置を提供する。
【解決手段】 1以上の商用サイト3と、上記商用サイト3にリンクされた1以上のアフィリエイトサイト2と、上記アフィリエイトサイト2への広告の配信及び広告掲載料の支払い管理を行う管理サイト1とがネットワークに配置されている。そのうち、管理サイト1に、実際の成功報酬算出のための顧客情報を収集するトラッキングソフト7がインストールされ、そのトラッキングソフト7が、商用サイト1が購入完了ページを表示したことを条件に、起動するように設定されている。これにより、本来のトラッキングソフト7の機能を担保する一方、商用サイト3側にとって、初期インストール作業等を省けるようにし、管理サイト1側にとっては、トラッキングソフト7に関し、商用サイト3側の環境を考慮する必要性をなくせるようにする。

(図は省略)


であると思われる。

リリースでは「その後当社が発明・開発・採用した方式は業界でも広く採用され、現在に至っております」と説明されているが、Amazon.comでは(この名前としては)1995年7月からネット上でのサービスを開始しており、アソシエイツプログラム(アフィリエイトプログラム)は1996年からはじめている。また、日本でのアマゾンのサービススタートは2000年11月。

特許内容を精査する必要があるし、当方(不破)はその筋の専門家ではないので差し控えることにするが、少なくともアマゾンに関しては今回発表された特許には「先行技術」※として主張できるので、問題は無い。その他の「タグを貼り付けて広告配信を気軽に行わせるシステム」を提供しているアフィリエイトプログラム事業会社については、どういうことになるのかは判断がつきかねる。

また上記検索結果を見てみると、表記された内容をもとに、それにマッチした広告を配信する「コンテキストマッチ広告」の原理も他社から特許申請されている。こちらが申請を通ったかどうかはまだ分からないが、これはこれで今後問題視されるかもしれない。

ともあれ今後、同社の動向を注意深く見守る必要があるだろう。


※「先行技術」……特許が出願された時に、その出願内容と同じ技術が用いられていた場合の状況、あるいはその技術そのものを指す。特許が確定したとしても、先行技術が認められればその持ち主はその技術を、特許保有者による独占権を気にせずに自由に使うことができる。

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