飲んで使うカプセル型内視鏡をオリンパス(7733)子会社が承認申請へ
2006年11月10日 06:30
【NIKKEI NeT】などが報じたところによると、【オリンパス(7733)】の子会社であるオリンパスメディカルシステムズが、薬の錠剤のように飲み込んで使う、日本国内としては初のカプセル型内視鏡について、製造販売承認を年内をめどに【厚生労働省】に申請することが明らかになった。早ければ2008年にも承認を取得し、発売を目指すという。
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これは長さ2.6センチ、幅1.1センチのプラスチック製カプセルに、CCD(電荷結合素子)カメラと照明用の発光ダイオード(LED)、無線送信装置を内蔵した医療機器。治験者が飲み込むことでこのカプセルが体内をゆっくりと進み、チューブ型の内視鏡が届きにくい、あるいは届かない小腸などを映像で調べることができる。現在の機能では画像を送る機能はあるものの、無線による操作は不可能。
この「カプセル型内視鏡」は2004年から日本・アメリカ・ヨーロッパで臨床試験を実施し、2005年10月にはすでにヨーロッパで発売。今年10月にはアメリカのFDA(アメリカ食品医療局)に承認申請している。
今回の「カプセル型内視鏡」は2004年11月の段階で【公式に発表された】もので、詳細なスペックや開発の経緯もそちらで明らかにされている。特徴は山ほどあるが、
・全方位誘導システム(磁気を用いてカプセルを自在にコントロール)
・無線給電(電磁誘導で電力を供給するため作動時間が無制限、毎秒5回の撮影が可能)
・薬液放出機構(小型開放弁を内蔵し、任意の位置とタイミングで薬を体内に投与可能)
・体液採取機構(体内の任意の場所で体液を採取し、診断や分析に活かせる)
全方位誘導の原理図
任意の方向に磁場を発生させ
任意の方向に向かせ、さらに
回転磁界を作り出しカプセルを回転。
推進力を発生させる
などがある。また将来的には電力を動力に変換するアクチュエーターをカプセルに搭載することで(キャタピラ方式など)、それ単独で体内にて自走する機能を搭載することも検討されている。さらに体内からの超音波検査も一つのアイディアとして提案されている。
2004年の発表当時には何かと話題になったものだが、ようやく日本でも承認へのきざしが見えてきたようで、喜ばしい限りである。体内に異物を突っ込まれることに強い反応を示す体質(含む当方)だと、胃カメラはそれこそ「悶絶するほど苦しい」もので、精神的・肉体的プレッシャーが大きい。診察そのもののハードルも高いし、子どもなどの診察では難儀させられることだろう。
今回の「カプセル型内視鏡」なら多少高価ではあるものの(「回収」はするだろうが恐らく再利用はしないだろうから)、患者への負担減と通常の胃カメラではできないこともできることをあわせると、きわめて期待できるものといえるはずだ。
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