トヨタ自動車(7203)といすゞ自動車(7202)、資本・業務提携の検討開始に合意
2006年11月07日 19:30
[トヨタ自動車(7203)]と【いすゞ自動車(7202)】は11月7日、資本・業務両方の面において提携の検討を進めることで合意したと発表した(【発表リリース】)。トヨタがいすゞの株式を取得することで、資本提携を行うことになる。
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リリースによると両社は今回の提携によって開発、生産の分野における相互の経営資源の活用や技術面での補完を図り、相互にシナジー効果を発揮する枠組みを作り上げていく予定。具体的な提携内容については次の分野が検討されている。(1)と(2)はいすゞが、(3)はトヨタがリーダーシップを取る。
(1)小型系ディーゼルエンジンの開発、生産に関する分野
(2)ディーゼルエンジンの排出ガス制御技術ならびに装置の共同開発
(3)エンジン等に関する各種基礎技術ならびに代替燃料等の幅広い環境技術
リリースによると今回の提携に向けた基本合意を行った理由は、「今後、益々グローバルに競争激化が予想される自動車産業の中で、お互いの経営の自主性を尊重しながらも、協力関係を構築し、連携を図ることが、相互の発展と成長につながるとの考えで、両社が一致したものである」としている。要は「緩やかなお友達関係になって仲良くやっていきましょう。お互いに協力しあいましょう」というところか。
トヨタはこの業務提携を円滑に進めるため、[三菱商事(8058)]と【伊藤忠商事(8001)】からそれぞれ6000万株、4000万株のいすゞ株式を取得する。取得後の持ち株比率は5.9%(I種優先株式が全て転換された場合の見込み)となる。
自動車メーカー利益が世界第一位のトヨタと、小型トラックやディーゼルエンジンの生産に強いいすゞが手を結んだという図式ではあるが、実のところトヨタにしてみれば将来環境や省エネルギー分野への積極的な展開を見据えた上で、いすゞのディーゼルエンジンに関するノウハウを手に入れたいという気持ちがよく分かる提携内容といえる(資本提携の分野で、株式持合いでなくトヨタのいすゞ株買い入れのみというあたりも、パワーバランスが見て取れよう)。
本日発表されたトヨタの【平成19年3月期 中間決算短信(PDF)】によれば、今朝方報道された通り2007年3月期の営業利益予想が2兆2000億円と日本国内企業では初めて2兆円を超える見通しとなるほど業務が好調な状態を続けている。あと数年この状態が続けば中堅どころのライバル自動車企業を買い取ることも出来るのではないかと冗談話が出てくるくらいな利益に、ただ唖然とするばかりである。
ただ、利益を出しても妙な分野やまったく関係のない事業にちょっかいを出さないあたりは好感が持てる。今回のいすゞとの資本・技術提携も本業に大いに寄与するものだ。当然ますます飛躍の可能性が増していくだろう。トヨタは一体どこまで行くのだろうか。
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