シャープ(6753)が効率最高の太陽光発電システムを開発、主流型の2倍・37%超へ
2006年11月06日 06:30
【NIKKEi NeT】が報じたところによると【シャープ(6753)】は太陽の光を電気に変える効率(変換効率)を世界最高水準に高めた太陽光発電システムを開発した。集光追尾型と呼ばれるタイプで、変換効率は37%を超えている。これは主流の多結晶シリコン系太陽電池の約2倍にも相当するという。シャープでは2007年にも太陽光発電の需要が高いヨーロッパを中心に出荷し、海外での大規模発電などでの採用を目指すとのこと。
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「集光追尾型」とはその名前どおり、ひまわりのように太陽の位置を常に追いかけながら通常の太陽光をレンズを使って集め、700倍(!)に高めてから太陽電池パネルにあてて発電するというもの。パネルの原料には人工衛星などに用いるガリウムヒ素を採用。現在家庭用太陽電池などの需要拡大で多結晶シリコン系太陽電池が直面している原料不足への対策にもになる。
さらにガリウムヒ素を原材料とするパネルはシリコンのそれに比べて小型化が可能で、原材料の使用料も減らせる。パネルの大きさをフレキシブルに変え、顧客のニーズにあわせることも可能。
ちなみに従来の多結晶シリコン系太陽電池の変換効率は20%前後。国内外でニーズ拡大のため太陽電池は慢性的に不足しているが、特にヨーロッパでは太陽光で発電した電力を一般電力より高く買い上げる補助制度が普及し、太陽光発電への関心が強く、需要もきわめて大きい。シャープでは変換効率が高く、非シリコン系の太陽光発電システムを競合他社に先駆けて売り込み、ヨーロッパ市場への浸透を目指すとのこと。
大きな場所を必要とすることや、天候がよくないと安定した電力の供給が難しいことなど、太陽電池の特性を考えると日本の普及には超えねばならないハードルは多い。それでも太陽電池の「(場所以外の)資源を浪費せずにクリーンにエネルギーを生産できる」利点は注目すべきだろう。日本でももっと安価に入手できる手立てが講じられれば、普及に勢いがつくに違いない。
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(最終更新:2013/08/25)
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