東証でインサイダーの疑いがある取引、急増中。4月~9月は4割増

2006年11月26日 19:30

株式イメージ【NIKKEI NeT】は11月26日、【東京証券取引所】においてインサイダーの疑いがあるグレーな取引が増えていることを報じた。記事によると2006年4月から9月に東証がインサイダー取引の疑いから、より詳細な分析が必要と判断した件数は93件。これは前年同期に比べて4割程度増加したという。

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インサイダー取引の疑いの件数が増加した中でも、企業買収の発表前などに株価が不審な動きをする例が目立つという。同様のパターンは【大型企業買収の4割でインサイダー取引の疑いあり】でも報じたようにアメリカでも起きており、東証では監視を強めている。

記事によると東証の売買審査部ではインサイダー取引や相場操縦など問題のありそうな取引をふるいにかける「調査」と、調査の結果、詳細な分析が必要と判断した「審査」に分けている。4月から9月の審査件数は同26%増の111件で、なかでもインサイダー取引の疑いのある取引の伸びが大きかったとのこと。

大型銘柄だとインサイダーの取引程度で株価が変動することは難しいが、出来高の少ない新興市場銘柄ではそれもありうる話。株価を大きく動かしうる発表と、その数日前から直前の株価動向を見てみると、「どうしてこのような値動きをしたのだろう」と首をかしげる事象が幾度と無く見受けられる。特に場が引けた後に大きく下方修正をした銘柄の、その日の値動きを見てみると何の事由もなく出来高を伴い大きく下げている場合がある。「超能力かはたまた野生の勘か」と口をゆがめつつ自嘲しながらチャートを見据えるという状況も。

また新興市場銘柄では、企業倫理について問題が無いとはいえないところ、あるいは関係者の一部に「上場企業の構成員たるものが果たすべき義務と責任」を認識せず、個人の利益を一義的に考えるものもいないとはいえず、結果としてインサイダー取引をしてしまうパターンも想定される。

完全にインサイダー取引を無くすことは正直不可能。だが東証の関連部局をはじめとする関連当局には少しでもそれを減らす努力を惜しまないよう、望みたいところだ。少なくとも昔と違って今現在は、ネットが普及し各種データも容易に参照できるようになり、「値動き・出来高の不自然さ」を監視する人間は山ほどいるのだから。

(最終更新:2013/08/24)

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