楽天とTBSとの間では、楽天が2005年10月にTBSの株式を約19％所有し包括的な資本提携を求めてきたのに対し、TBS側では「株式の大量保有を前提に強引に提携を持ちかけるのはいかがなものか」と反発を強め、交渉が難航していたという状況が続いていた。資本提携という大きな提携話よりも最初に業務提携を、という形で楽天側が妥協したものの、最近までは「交渉期限切れ」「一か月自動延長」が繰り返され、事態の進展は見られなかった。

楽天側では「提携に向けた議論は尽くした」として、今月11月中にも業務提携の具体案をTBS側に提出する方針であるという。この提携案では「TBSの番組に登場した商品をネットモールの楽天市場で販売する」など、テレビとインターネットを連動するサービスをはじめ、TBSが制作した映画を楽天側がネット上でチケットの販売をするなどが語られることになる。

今回楽天が具体的な提携案を提示することで、両社間の提携交渉は約一年を経てようやく山場を迎える。とはいえ、今件でもTBSが問題視している「楽天保有のTBS株式売却」には触れない見通しであり、今回提案が両社の提携話の決定打となるかは依然として不透明な情勢であることに違いはない。

とはいえ楽天側も、今回の株式取得のために借り入れた資金の金利負担が財務的に重くのしかかっているのも事実である。TBSもそこを見越して強気に出ている面がある。TBSが態度をあくまでも変えないのであれば、楽天も株式の19％保有を維持したままの提携継続はあきらめる時がそろそろ来るのかもしれない。

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