グッドウィル(4723)、請負大手のクリスタルを買収

2006年11月19日 08:00

時節イメージ派遣と介護を二本柱とする【グッドウィル(4723)】は11月18日、やはり派遣・請負大手の【クリスタル】を買収したと発表した(【発表リリース、PDF】)。投資ファンドなどを経由し、クリスタルの株式の67%を保有し、連結対象の子会社化をした。

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すでに報じているようにクリスタルでは、その主力子会社であるコラボレートが偽装請負を繰り返していたとして、大阪労働局から10月に事業停止命令を受けている。これがクリスタルグループ全体の業務に大きな影響を与えていた。これまでも子会社による不祥事が相次いでいた同グループだが、そのたびに「組織改変」や「子会社そのものの解散」などで対処してきた。しかし今回の影響は「同グループの行政処分では最も重いもの(業務停止・改善命令)」「厚生労働大臣自らのコメント(による官公庁からの重圧)」など、これまでのような対処しうるレベルのものではなかったようだ。そこで同業のグッドウィルの傘下に入り、抜本的な建て直しが必要と判断したもようである。

合併の理由についてグッドウィル側では

当社グループの事業領域とクリスタルグループが展開する事業領域は、大部分においてオーバーラッピングしており、当社グループとクリスタルグループとの営業基盤や顧客基盤、情報などを共有することとなり、クライアントやスタッフから求められるサービスやニーズに幅広く対応し提供して行く事になります。今後両社が連携することにより、業務面でのシナジー効果が相互に発揮され、これにより、収益拡大が見込まれることによるものです。


と説明している。

なお発表されたリリースを見ると、直近二年における売上・経常利益・純利益見通しでは、

・2007年6月期
連結売上高 5500億円/3100億円
連結経常利益 220億円/130億円
連結当期純利益 70億円/30億円

・2008年6月期
連結売上高 7500億円/4500億円
連結経常利益 330億円/220億円
連結当期純利益 120億円/70億円

※左が合併後の見通し、右はそのうち子会社化による影響見通し


となり、親会社化したグッドウィルよりも子会社になるクリスタルの方が財務規模的に大きな存在であることが分かる。コラボレートによる問題がなければこのようなことも起きなかっただろうし、あるいはクリスタルの大株主だった創業者らが売り急いだ可能性もある。

ともあれ、派遣業関係の業界では何度と無くその名前を聞くクリスタルグループだが、今後グッドウィルの傘下のもとで改革が行われることだろう。


■関連記事:
【「労働者派遣法」に基づく初の事業停止命令、派遣業大手クリスタルのグループ会社「コラボレート」に発動へ】

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