株式のネット取引の割合、3.8%減少の27.7%へ
2006年11月18日 18:30
【日本証券業協会】が11月17日発表したインターネット取引に関する調査結果(PDF)(2006年9月末時点)によると、2006年度上半期にネットを経由した株式取引の売買代金は2005年度下半期を大きく下回り、株式取引全体に占める割合も27.7%と3.8%減少した。これは調査を開始した1999年以来初めての減少となる。
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日本の株式市場は日経平均が4月7日に今年の最高値(終値で )をつけた後、一様に軟調な展開だったことを受け、株式取引全体の売買代金も減少したが、それ以上にネット取引の落ち込みは大きかった。全体に占める割合も2005年下半期の31.5%から27.7%と減少。計測をはじめてから初の減少となった。
投資信託は募集取扱高そのものが最近は公開されていないため割合が不明だが、該当時期におけるネット経由での取引高は1906億4800万円で、これは直前期の3002億1300万円と比べると36.5%もの減少になる。
一方、【NIKKEI NeT】の調べによると、「個人投資家の」ネット利用率はさらに高まり91%を超えたという。
まとめてみると2006年上半期は
・売買代金は16.6%減少
・売買全体におけるインターネット取引の割合は3.8%減の27.7%
・「個人投資家」のネット利用率は91%に増加
・ネット経由での投資信託は36.5%の減少
となる。これらの結果から2006年上半期は
・株価が停滞から緩やかな下降を迎えているせいもあり
(1)売買そのものが少なくなっている
(2)株価の低迷で(同じ株数でも)売買代金が減っている
(3)ネット経由での個人投資家のダメージが大きく、売買が抑えられている
(4)ネットを使うことによる新規参入の中小規模の個人投資家は増えている
(5)ネット証券利用者が投資信託へ資金を回す余裕がなくなっている
(投資信託そのものの売行きは好調→銀行・郵便局経由で定期貯金ライクに考えて売買する人が急増?)
((6)不動産売買代金が増加していることから、個人の資金が株式から不動産に流出している??)
などが推測される。
今回の調査は定期観測調査結果の一環。半年後には2006年下半期のデータが発表される予定。そのデータは今回発表されたものよりよくなっているように、そういうデータが出るように市場が好転してくれることを心から祈ろう。
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