【更新】政府と自民の税制調査会にて法人税の実行率引き下げで意見の相違、政府は35%くらいまでの引き下げを求める

2006年11月20日 06:30

株式イメージ[YOMIURI ONLINE]によると11月19日に放送されたフジテレビの報道番組で、首相の諮問機関である政府税制調査会の本間正明会長は法人税について言及し、「中長期的な目安として現在40%の法人課税の実効税率を35%くらいにまで引き下げるべきだ」とした。一方、自民党の税制調査会の津島雄二会長は慎重な姿勢を見せ、法人税に関する見解で意見が食い違うようすが見て取れた。

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元記事では「法人税の引き下げ目安を示したのははじめて」としているが、【次期税制調査会会長、証券税制の優遇措置廃止を示唆】でも報じているように本間氏は調査会会長に就任する前から、「企業の減価償却制度の見直し。設備投資額の全額を損金に計上する仕組みの導入」「現在標準課税39.54%の法人税の税率をヨーロッパ並みの30%前半まで引き下げる(減税分は消費税の増税でまかなう)」などの指針も明らかにしている。

一方、「自民党の」税制調査会会長の津島氏は、先に発表されたGDP値で個人消費が伸び悩んでいる値が出たことにも触れ、「個人消費が上がってこないのは、国民が年金や医療に不安を持っているから。税と社会保障制度の両方をちゃんとみて国民合意を形成しないといけない」と発言し、単に法人税を下げただけでは中長期的に経済の活性化をうながすのは難しいと判断、本間氏の意見をけん制した。

一般的に法人税を引き下げれば(企業の収益が改善するので)株価が上がる傾向にある。株価が上がれば経済にもプラスになりそうだが、その一方で本間氏は証券税制の面において、軽減税率を撤廃するという、マイナスの影響を及ぼす可能性が高い施策をも提言している。

これが本間氏の「バランス施政」によるものなのか、それとも一貫するところの無い指針によるところなのかは不明。とはいえ、はたから見れば「消費税上げて証券減税無くして民間の生活を圧迫し、企業へは低い腰で対応かよ」とも揶揄されるような政策がどのように評価されるのか、意見が分かれるところだろう。

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