【更新】日清食品(2897)と明星食品(2900)の資本提携について、公正取引委員会が独禁法抵触の有無について調査へ
2006年11月16日 19:30
[YOMIURI ONLINE]によると【公正取引委員会】では、先日TOBが開始された[日清食品(2897)]による【明星食品(2900)】へのTOBに絡み、両社が資本提携を結んだ場合、独占禁止法に抵触するかどうかの調査に乗り出す方針を明らかにした。委員会事務総長の伊東章二氏が11月15日の記者会見で明らかにした。
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仮に両社が資本提携を結びグループ化した場合、市場占有率を単純計算すると即席めんの業界シェアとしては50%を超えることになる。伊東事務総長はこの件について「シェアだけを問題にするわけではない」と言及し、商品ごとの競争状況も考慮し、総合的に判断する考えを示した。
日清食品がTOBに成功して明星食品の発行済み株式の3分の1超を取得すれば、株主総会において重要事項の決議の際に事実上の拒否権を発動できるという優位性を得ることができるため、30日以内に公正取引委員会に報告する義務が発生する。委員会では、報告後数か月間で実態調査やヒアリングを行い、結論を出す。両社の提携によって、取引先に対する価格交渉力が強まるかどうかが調査のポイントとなるとのこと。
外資からの売り抜けを目的とした買収や「会社転がし」による買収の試みから自社を守る場合、同業他社から差し伸べられた手につかまり防御する手立てを採ると、どうしても今回のような「業界内の寡占状態を生み出す」→「不健全な市場形成に寄与するのでは?」という形になってしまう。まさに外資という名前の「黒船」が到来した即席めん業界にしてみれば手を取り合って防御したいが、仲良くなりすぎると規模が大きくなるがゆえの弊害も生じるし……と「あちらを立てればこちらが立たず」状態といえる。
公正取引委員会がどのような判断を下すのか、注意深く見守りたいところだ。
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