石油連盟、バイオエタノール原料の輸入事業組合を1月設立

2006年11月17日 12:30

ガソリンスタンドイメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、石油の元売各社で作る【石油連盟】が二酸化炭素の排出を減らす取り組みの一環として進めている、バイオエタノールを混ぜたガソリンを来年から販売するための事業組合「バイオマス燃料供給有限責任事業組合」を、LLP(有限責任事業組合)の形式で2007年1月に設立することが明らかになった(【発表リリース】)。

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石油連盟や【環境省】では、植物などを原材料に作ったバイオエタノールをガソリンに混ぜて使い、二酸化炭素を減らす取り組みを進めている。これは地球大気中の二酸化炭素の削減に向けた京都議定書達成計画の内容を元にした、政府の要請を受けてのもの。

石油連盟が販売するのは、植物などを原材料に作ったバイオエタノールに石油ガスを加えた「ETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)」と呼ばれる燃料をガソリンに混ぜたもの(バイオガソリンと呼んでいる)。これを2007年5月から50か所ほどのガソリンスタンドで試験販売をするのと共に共同輸入会社を設立。2008年には100か所までに増やし、2009年度には1000か所までに拡大し、2010年の本格導入にそなえる。ただ、【環境省、バイオマス燃料の流通促進の方針を固める】で報じているように【環境省】側ではエタノールを直接ガソリンに混ぜる方法で実証実験を開始する予定であり、方法の対立が懸念されている。

今回石油連盟では加盟各社が出資する事業組合を2007年1月に設立。具体的な販売準備に入ることになったという。石油連盟では当面、ヨーロッパから「ETBE」を輸入して対応する方針だが、2010年に予定している全国での販売には大量の原料が必要になり、到底間に合わないことが予想される。そこで今後は日本として国内で新たに原料を栽培する農地を確保することに加え、海外から安定して原料を調達する体制を整えることができるかが課題となっている。

リリースによると石油連盟では2010年度にガソリン需要量の20%相当分に対して一定量のバイオエタノールをETBEとして導入する(36万キロリットル……原油換算で約21万キロリットル)としている。

今後生産も含めた原材料の確保や、生成工場の建設、さらに流通網の構築など、さまざまな作業が必要になるだろう。また、官公庁が推し進める方法とは異なる手法によるバイオエタノールの導入を目指していることから、対立も予想される。


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