【更新】小中学校で給食費滞納18億円、余裕があるのに払わない保護者が目立つ
2006年11月28日 12:30
[読売新聞]は11月27日、同社独自調査の結果として、2005年における全国の公立小中学校において18億円を超える給食費が滞納されていたことを明らかにした。これは本来徴収されるべき給食費の0.53%に相当するという。
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調査は2005年10月から11月、全国1840の区市町村に公立小中学校の給食費について質問、85%ほどの1575区市町村から得た有効回答で集計した。記事によるとこの「滞納金」のうち、経済的に余裕がありながら払わないという、「食い逃げ」的なパターンが増えており、学校側・地方自治体側でも簡易裁判所に支払い督促を申し立てるなど法的措置に踏み切るところも出てきているという。
滞納総額は18億2035万円。総給食費の3460億円に対し0.53%を占めた。滞納率が高いのは沖縄県の4.09%、北海道の1.38%、滞納額が多いのは北海道の2億5026万円、沖縄の2億3135万円など。記事では但し書きとして、「滞納額は不明」と回答した自治体が複数(横浜、大阪、名古屋市)あり、順位や滞納額そのものが実際には多くなる可能性があると指摘している。
滞納の理由としては「経済的に困窮して支払うゆとりのない家庭が増えている」というものがある一方で、何らかの理由をつけて「『払う必要がない』と言って保護者が支払いを拒否している」パターンも増えているという。「払えない」ではなく「払わない」保護者は人口の多い自治体からの割合が多いとのこと。
この「払わない」「食い逃げ的」パターンに対して、学校関係者が自主的に回収を試みたり滞納分を校長先生がポケットマネーで立て替えるなどの対応をする一方、複数の市町村が簡裁に督促を申し立てたり、差し押さえを求めたりするなどの法的措置を実行。「今後は法的措置を取らざるを得ない」とする自治体も多く、今後強制徴収のパターンが増加する可能性が高いことを示唆している。
「払わない」派の意見としては「法律で定めて義務で通わせているのだから、費用はすべて国が持つべきだ」「お金がもったいないからうちの子は給食を食べさせなくてけっこう」というものが多い。常識的に考えればふざけた話だが、法的に論じてみても「学校給食法という法律で保護者が負担するように定めているのだから、給食費支払いも義務。法律を守るのは国民の義務であり、義務を果たさずして権利を主張するな」というところだろう。
学校給食法では経済的に支払いが困難な場合には自治体などが立て替える制度があるが、それとて「支払いが困難」という前提がある。親が外車を乗り回し、きらびやかな服装で来校して「給食費は払いません」では説得力が無いのは誰の目にも明らかである。
それよりも、法律がどうとか常識がこうとかいう話の前に、「(自分の給食費が)もったいないから支払わない」ということを親が主張していると子どもが知ったら、その子どもはどう思い、心を痛めるのか。親の立場として、そして「逆に自分が子どもの立場で、親にそのような態度をとられたらどう思うのか」。まずは考えて欲しいものである。
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