オンライン取引歴1年未満は2割、投資経験5年未満は66%との調査結果
2006年11月23日 10:00
【Japan.Internet.com】が報じたところによると、オンライン株式取引に関するアンケートにおいて、「株式の個人投資をしたことがある」と応えたのは全体の約4割、オンライン取引を現在もやっていると回答した人のうち取引歴が「半年未満」「半年から1年未満」と答えた人は約2割であることが明らかになった。
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調査対象は20代から60代の勤め人男女330人。男性82.4%、女性17.6%の比率。全体の330人のうち、株式投資をしていたかどうかという問いに対し、「現在まで継続して行っている」は30.3%、「過去の経験はあるが現在はしていない」が7.3%と、あわせて4割近くを占めた。一方で「興味はあるけどまだやっていない」とする人は40.6%におよび、投資の世界に興味を持つ人が相変わらず多いことがうかがえる。一方、「興味もなくしたことが無い」は21.8%だった。
株式投資をしたことがあるか
現在も株式取引を行っている人のうち、ネット証券のサービスを使ったオンライン取引が主な取引方法とする人は86.0%。電話によるものが11.0%となった。また、自社の持ち株会などと答える人もいたという。
気になるのは最後の問い「オンライン取引の取引歴」。「2年から5年未満」と答える人がもっとも多く39.5%に達し、ついで「5年以上」が23.3%。「1年から2年未満」が15.1%、「半年未満」が12.8%、「半年から1年未満」が9.3%という結果になった。
オンライン取引率
これらの調査結果から、次のようなことが推測できる。
・ネット証券の手数料低額化とインターネットそのものの普及、ケータイ機能の充実など環境が整ったことにより、オンライン取引に参入する個人投資家はここ5年の間着実に増加している。特に直近2年間は注目すべき伸び率。
・個人投資家の8割を占めるネット証券利用者のうち8割近く、つまり投資家全体の66.0%が、投資経験5年未満(0.86×(0.395+0.151+0.093+0.128)≒0.66)
・ネット取引を利用している個人投資家のうち少なくとも37.2%は「はじめから証券税制優遇措置」の環境下で投資をしている。「2年から5年未満」の半数も含めると過半数に達する。
→仮に証券税制優遇措置が撤廃されれば※、「税率が元に戻る」のではなく単純に「税金が倍になる」と受け取り、投資行動へのモチベーションが低下する可能性が高い。
※証券税制優遇措置が開始されたのは2003年
ネット上で証券取引を容易に行う環境が急速に整備されるようになったのはここ数年のこと。また、たまたまではあるが株価が低迷から脱し始めた時期と重なったため、「株価がぐんぐん上昇する」「投資をすれば儲かる」というイメージが強く普及したのも初心者を呼び寄せる環境となりえたのだろう。
統計データ上で「興味はあるけどまだやっていない」とする40.6%の人たち、いわば「投資家予備軍」があらたに個人投資家となるかどうかは、ハードルの低さや投資環境の整備、株価の好調さがキーポイントとなると思われる。ネット証券サイドの環境は今後も改善整備されるだろうから心配は要らないとして、株式市場そのものの堅調さや証券税制など周囲の動向が未知数なだけに、気になると言えなくも無い。
投資家が増えれば経済に対する関心を持つ人か増え、それは経済そのものの活性化につながるだけでなく、企業の活動へのモニタリング機能が増強されることにもなる。その意味でも関係各所には個人投資家への配慮を十分に考慮してほしいものだ。
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