中国、ロシアから空母艦載用戦闘機Su-33を50機購入予定
2006年10月31日 19:30
【Sinodefence.com】が伝えたところによると、ロシアの兵器輸出業社【Rosoboronexport】は10月31日、中国に50機の艦上戦闘機Su-33(Su-27K、フランカー)を売却する予定であることを明らかにした。この取引は25億米ドルものやりとりとなり、ロシア製兵器の輸出規模としては史上二番目になるといわれている。
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今回の取引は10月31日から開催されている中国の珠海で行われている航空ショーにて取りまとめられたもよう。先立ち中国では1億ドルでSu-33を2機購入。2007年から2008年には引き渡され、飛行実験と性能評価に用いられるという。単なる地上飛行場での飛行実験だけではなく、【中国が2年後に空母戦闘群配備との報】で報じたように同じくロシアから中国が購入した元ソビエト海軍の空母Varyag(ワリヤーグ)上での離発着テストが行われる予定。
中国としては50機をまとめて購入するのではなく、最初の試験機2機を購入したあと、12機単位で追加購入を行い、最大で48機追加するという選択を採用した(最大で2+12×4=50機という計算)。
Rosoboronexportのカタログに掲載されていたSu-33
Su-27は旧ソ連軍の単座戦闘機でフランカーという呼称で、また独自の飛行技術「プガチョフ・コブラ」が行える機動性の高い機体として有名。総合スペック・戦力的にはアメリカのF-15イーグルと同等とやや劣るといわれているが、兵装で大きな違いが生じるし実戦・模擬戦闘で戦ったことが無いので評価は難しい。今回中国海軍が購入を決めたSu-33は、このSu-27の空母艦載用として作られた艦上戦闘機でSu-27Kとも呼ばれている。
現在中国にはSu-27の派生型としてSu-30MKK(複座、中国名はJ-13)とSu-27SK(J-11)が配備されている。今回のSu-33が本式採用されれば、三種類めのSu-27ファミリーが中国に導入されるということになる。
中国海軍の空母運用は「あくまでも見せかけ、ダミー」「実戦運用はかなり先」という話もあった。しかし今回艦上戦闘機を大量に購入することが明らかになり、中国が空母運用について「やる気」であることが裏づけられたことになる。
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(最終更新:2013/08/25)
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