ゲームアイテムの現金取引RMT、反対派が賛成派を上回る。一方で「無料ゲームのみ」派が8割近くという現実も
2006年10月11日 06:30
【Japan.Internet.Com】によると、同社と【gooリサーチ】の調査として、ゲームアイテムの現金取引RMT(リアル・マネー・トレード、RealMoneyTrade)について、「賛成」は7.54%にすぎず「条件付で賛成」の25.28%をあわせても32.38%に留まり、「反対」の38.14%を下回ったことが明らかになった。
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本来現実社会の現金の介在を必要としないネットワークゲームではあるが、時間が惜しい人、あるいはなかなかアイテムをはじめとするゲーム内の「特典」が手に入らない人が、お金を出してそれらの「時間」や「特典」「手間」を買うのがRMTの存在理由。ニーズがあればビジネスが登場し、ビジネスには現金が必要不可欠という、ごくありきたりな理由によるものといえる。
今回の調査対象は全国の10~50代のネットユーザー1079人で、男女比は44.49対55.51と、珍しく女性の方が多少ながらも多い比率となっている。年齢層としては20代から40代で9割以上、30代のみでも4割強を占め、ネットワークゲームファンが多そうな年齢構成と思われる。
さて、全員に「オンラインゲームをプレイしたことがあるか」とたずねたところ、半数近い41.80%が「はい」と答え、そのうち半数以上が過去三か月以内にプレイしていると回答している。メーカー側が一番気になるであろう「オンラインゲームの月額料金の平均」を過去三か月以内にプレイしている人に問うたところ、「無料ゲームのみ」と答えた人が8割近くの76.50%にも及んだ。逆に、「お金を払ってオンラインゲームをプレイしている人」はどちらかというと「オンラインゲーマー寄り」な人の中でも1/4に満たないことが分かる。
オンラインゲームの月額料金の平均
「ゲームは一日1時間」とはゲーム業界の偉人である高橋名人の言葉だが、一週間でオンラインゲームに費やす時間は「1時間未満」「1時間以上~3時間未満」がそれぞれ36.75%。「3時間未満」というくくりにすると73%に達する。それ以外のデータを見ても「おきて」をしっかりと守っている人がほとんどのようだ。
さて、ユーザー同士で現金のやり取りが行われるRMTについて、オンラインゲームをプレイしたことのある人たちに意見を聞いたところ、先にあるように「賛成」は7.54%にすぎず「条件付で賛成」の25.28%をあわせても32.38%に留まり、「反対」の38.14%を下回るという結果が出た。一方で「分からない」という意見が29.05%と3割近くにものぼっている。
反対・賛成の理由としては次のようなものがあげられている。それぞれの意見にもそれなりの論理と説明があり、なかなかに興味深い。
●賛成派
・現金化できたらハリが出る
・金儲けができそうだから
・より本格的なゲームになると思う
・やりたい人同士でやるなら問題ない
・これも交流の一部だと思う
●反対派
・現金がからむと、トラブルの元になるから
・あくまでもゲームだと割り切って欲しい
・殺伐とする
・オンラインとオフラインの区別がつきにくくなるから
・現実の資金力が有利不利をわけて平等じゃない
●条件つきで賛成
・年齢制限をかければ特に問題ない
・明確な規約の元で行われるべき
・時間をお金で買うという考え方はアリだと思う
むしろRMTを推奨しているオンラインゲームや、運営側がアイテム売買などで積極的に行っている該当するゲームもあることから、一概には「全部ダメだ」とは言い切れないものの、さまざまな事件もおきていることから心境的には「好ましくない」とする意見が過半を占めているのがわかる。
ただ、過去に同様の調査をした際には、反対派そのものが過半数の56.3%を占めていた(【参照:RMT(リアルマネー売買)の反対派は56.3%】)ことを見ると、統計学上及び集計上の誤差はあるにしても、「運営側にも積極的にRMTを行うところが増えてきたことから、『本当に否定されるべきものなの?』という疑問が少なからずの人の頭の中に浮かんできた」ようすがうかがえる。
有価証券関連の法律に抵触する、ということではないだろうが、現金が介在する以上厳格なルール作りとその遵守、そしてそれを守らせるための仕組みが必要となる。その「システム」がしっかりとした形で提供されない限り、RMTが世の中に肯定されるようなことはないだろう。
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(最終更新:2013/08/25)
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