厚生労働省、医薬品の副作用への対処マニュアル作成、年末にはサイトに公開も
2006年10月24日 19:30
【薬事日報】が報じたところによると【厚生労働省】では医薬品による副作用に適切な対処治療が出来るよう、特に注意の必要な9つの副作用について症状別に、早期発見のポイントや判別方法をまとめた対応マニュアルを作成した。年末には内容を確定した上で公式サイトにも掲載するという。
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これは「重篤副作用疾患別対応マニュアル」と呼ばれるもので、10月19日の厚生省内会合では9疾患のマニュアル案が提示、意見が交わされたという。最終的には120もの副作用疾患についてマニュアル化を目指すとの計画とのこと。
今回提示されたのは、
●皮膚:スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症
●呼吸器:間質性肺炎、非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作、急性肺損傷・急性呼吸窮迫症候群
●神経・筋骨格系:薬剤性パーキンソニズム、横紋筋融解症、白質脳症
●代謝・内分泌:偽アルドステロン症
の4領域・9疾患。いずれのマニュアルにも患者向けと医療関係者向けの2本立てで構成。そのそれぞれに対し、対象向けの状況にマッチした創り(たとえば患者向けならイラストや分かりやすいことばで解説、医療関係者向けは参考文献などの提示)になっているという。さらに会合内では副作用報告のある医薬品名の掲載の是非や症例の充実などが討議された。
今年度はこれらの疾患の作業が進むが、以降の作業対象副作用疾患として次の10領域・16疾患が承認された。当方も現在通院療養中のネフローゼ症候群も含まれており、非常に気になるところではある。
●腎臓:ネフローゼ症候群
●呼吸器:肺水腫、急性好酸球性肺炎
●神経:不随意運動
●代謝・内分泌:甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、高血糖(糖尿病)
●感覚器:視覚障害(視力低下、視野狭窄)、緑内障、眼圧上昇
●膵臓:膵炎(急性膵炎)
●口腔:口内炎
●骨:骨壊死、骨粗鬆症
●泌尿器:尿閉(排尿困難)
●皮膚:急性汎発性発疹性膿疱症
最終的にはウェブサイト上で公開して誰にでも閲覧できるようになるとのことなので、その公開を楽しみにしたいところだ。
一方で、例えば当方の「ネフローゼ症候群」のように、医療の進歩と共に治療方法が劇的に変化するようなこと(かつては多量のたんぱく質摂取が必要とされていたが今ではその正反対でたんぱく質の制限が求められている)があった場合にそれに対処した変更がなされるのかどうか気になるところだ。さらに、より多くの人が閲覧できるよう、携帯電話をはじめとするモバイル端末からもアクセスできるような仕組みが設けられると嬉しい限りではある。
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