東証とインド、ジャスダックとダウ……相次ぎ手を結ぶ大手取引所たち
2006年10月17日 12:30
先に【ジャスダックとナスダック、各種提携で覚書締結】でも報じた、【ジャスダック証券取引所】とアメリカの【ナスダック証券取引所(ナスダック市場を運営するナスダック・ストック・マーケット)】が正式に覚え書きに調印したことが発表された(【発表リリース、PDF】)。またこれとほぼ時を同じくして、【東京証券取引所】とインド・ナショナル証券取引所も包括的な相互協力協定を締結したと発表した(【発表リリース】)。世界の証券取引所のワールドワイドな展開が急速に進展しそうな勢いである。
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このように急速な動きを見せたのは、ひとつに「投資の世界的な加熱感・過熱感」がある。ワールドワイドに株式などの証券投資が活性化する中で、世界的な範囲での提携を行い、相互交流を通してよりいっそう市場を活性化し、各証券取引所の取り扱うアイテム数・魅力を増やし、ライバルとの差をつけるようにする。一方で「過熱」にもあるように、将来尻つぼみしても、多くの「顧客」を得られるよう、今から国外に目をめけておく、そんなところだろう。
投資家たちからのニーズに応える、という意味合いもある。他国証券の取引も行いたいといった考えの投資家は増えている。その際にあらかじめ他国の証券取引所と手を結んでおいたほうが面倒が無くてよい。相手の証券取引所も同じようなことを望んでいる。渡りに船だ。
さらに具体的な話になると、2つの点で説明がつく。ひとつは「ヨーロッパ市場が統合の方向で進んでいる」こと。第一次大戦前後のブロック経済の話ではないが、「ヨーロッパの証券取引所がまとまるなら自分たちは少しでも可能性のある、大規模なところと手を結んでおかないと」という考えで、”友達”探しを各証券取引所がしていることになる。もう1つは「将来有望なアジア市場に布石をうちたい」とする各証券取引所の思惑。ナスダックはジャスダックを通してアジアに手を広げたい、一方東証も成長いちじるしいインドにツバをつけておきたい、こんな考えがあるに違いない。
日本には証券取引法や商法など国内法の問題という大きなハードルがある。その制限の中で、どこまで提携を活用できるか、今後の流れに注目したい。日本の個人投資家の立場にしてみれば、レートの問題などはあるだろうが、東証やジャスダック銘柄と同じように、アメリカ・ダウの銘柄やインドの銘柄が扱われて売買できるのなら、その方が便利でゆかいで有益に決まっているからだ。
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