【更新】難病の医療費補助縮小で頭を痛める患者たち

2006年10月15日 08:00

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]に、特定疾病として医療費が公費補助されている潰瘍(かいよう)性大腸炎とパーキンソン病について、国側が補助対象を重病者に絞る方針を打ち出したことに関する記事が掲載されていた。

スポンサードリンク

「特定疾病」とは詳しくは【難病情報センター】に記載されているが、「原因不明で治療法が確立していない難病」のことを指す。国では121種類の病気を指定し、このうち特に治療が困難な上患者が少ない45疾患に医療費を補助している。患者が少ないと治療薬が量産できずに医療費が高額になるだけでなく、治療できる医療機関も少なく通院が困難になるためだ。

今回の記事では潰瘍(かいよう)性大腸炎とパーキンソン病の、重病者以外の補助対象除外を受けて、医療費負担が重くのしかかる話が具体例と共に説明されていた。補助が打ち切られれば通常の患者と同じように医療費は3割負担。

説明によると、特定疾患の予算のうち、今回除外対象となる2疾病の割合が突出して多く、予算比で26%、患者数比で29%に及ぶという。重病者に限定して補助ということになれば、40億円近い予算を削減可能となる。しかしこの「特定疾患」の予算全体の240億円ですら、国民全体の医療費32兆円の0.1%にすら満たない。元々予算不足に問題がある、「医療費削減」のお題目を果たすために特定疾病予算の引き締めを行うのは筋違いだ、もっと先に手を打つべきだろうという意見でまとめている。

潰瘍性大腸炎とパーキンソン病の特定疾病予算削減についての是非のコメントは、当方(不破)としてはあえてひかえておく。が、当方自身もすでに少なからぬ読者が御存知の通り、「ネフローゼ症候群」という準難病指定の疾病で今も通院中であるだけに、関連する経験の思いも含めて色々と複雑な気分なのは事実である。

「準」としているのは、難病指定されているのは「ネフローゼ」の中でも特に治療の効き目が薄く状態が治らないタイプの重病性のもの、「難治性ネフローゼ症候群」が難病指定されているからである。しかしこちらですら特定疾病補助制度の対象外。当方が住まう東京都では[難病医療費等助成制度]が存在している、。早速主治医に相談したところ、「症状が規定より軽く、やる必要のない生態検査をしなければならない。そして検査をしても恐らく基準を満たして助成を受けることはできないだろう」という回答を得て肩を落とした記憶がある。また後ほど調べてみるとここ数年の間に多くの疾患で、難病指定の基準が厳格化され、「病状は回復していないのに指定の更新の際に基準から外れて助成が受けられなくなった」という人を多数見かけることができた。

当方は(該当する保険に入っていなかったというヘマをやらかしたものの)幸いにも多くの人の助けにより、また、高額療養費制度など公的支援策を自ら調べて駆使したため、それなりに経済的負担を抑えることができた。それでも現在に至るまで厳しい状態であるのに違いはないし、ましてやそれ以上の困難に追いやられている人も多数存在することだろう。

医療費規模の削減は必要だろうが、削るべきところと、削ってはいけない・むしろ増やすべきところを取り間違えることのないよう、関係各省庁には心がけてほしいものである。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ