旅行で楽しみな食事も量から質の時代に、低カロリーや低塩分な料理のホテルも登場

2006年10月12日 12:30

旅館の食事イメージ【Mainichi INTERACTIVE】に、食事療養中の当方(不破)としては興味深い記事が掲載されていた。行楽の秋として旅行パックのセールスが盛んだが、その旅行の楽しみの一つである「食事」について、最近ひとつの動きがあるという。シルバー世代や若い女性の旅行客の間から「たくさんあり過ぎて食べきれない」という声があがり、それに対応する食事を提供するツアーが登場しはじめているというのだ。

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旅行パックでの食事というと、テーブルの上にはみ出さんばかりに並べられたゴージャスでボリュームたっぷりという料理の山が頭に思い浮かぶ。しかしすべての旅行客がそれらの料理を平らげられる人ではない。前述のお年寄りたちや若い女性には酷な量だろう。さらに当方のように病気などで食事制限をしている人は、料理を目の前にほとんどはしをつけられず、自分はもちろん共に旅行をしている人たちも気まずい気分となる。

記事によれば「食べきれずもったいない」「残すと罪悪感がある」という意見が寄せられるようになり、ダイエット志向ともあわせ、量より質を求める傾向も強まってきたことから、企画する側も食事に対する考えを変えるようになったという。

静岡県下賀茂温泉の「ホテル河内屋」の食事イメージ具体的な例として【JTB】の「量ひかえめプラン」があげられている。たとえば『静岡県下賀茂温泉の「ホテル河内屋」』では、通常は12品の夕食プランに対し「量ひかえめプラン」は計10品。料金は変わらないものの、揚げ物を蒸し物にするなどして料理の質を高め、カロリーを低く抑えている。また『栃木県日光市の「花衣の館 日光千姫物語」』では同様のプランで14品を11品に減らしている。こちらは鉄板焼きの和牛を、より高級な前日光牛に変えた。

『リーガロイヤルホテル大阪』ではそのものずばりカロリーに配慮したメニューを選べる宿泊プランをはじめている。たとえば夕食のフランス料理「スリムライン・フレンチ」ではざるそば1杯分の360キロカロリーで、料理4品とコーヒーか紅茶を楽しめるという。塩分は2.2グラム(当方にとってはこれでも多いほうだが(笑))。このメニューは糖尿病患者さんの要望に応えたもので、手間がかかるため3日前までに予約が必要だという。

最近の傾向として定年退職を迎えた層が旅行を楽しむというパターンが増え、そのような層のニーズに応える必要が旅行業界側でも必要になってきたとのこと。

今後余暇を楽しむ方法のひとつとして、ホテルや旅館などの利用機会はますます増えるだろう。ゴージャスでボリュームあふれる旅行プランを企画し、他社との区別化をはかるところも続々登場するはずだ。その「他社との違い」を演出するため、料理のゴージャス化・ボリュームを全面に押し出すのがこれまでの手法だった。

しかし旅行利用者の増加分の少なからぬ部分が高齢者や若い女性層である以上、旅行の魅力のひとつである料理を「量の多い、スタミナたっぷり」という一方向性のみで演出するのでは、集客に限界がある。むしろ今まで取りこぼしていた「食せる料理に制限がある旅行希望者」を取り込めるよう、さまざまな料理との組み合わせの旅行プランが企画提案されるに違いない。

食事の面で断念したり遠慮しがちで気まずい時を過ごすことがないような旅行の企画を旅行代理店やホテル、旅館に期待したいところだ。


(最終更新:2013/09/02)

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