【更新】携帯スパム対策も世界一!? 日本のノウハウがイギリスでも活かされる

2006年10月12日 07:00

モバイルイメージ[産経新聞]によると、日本の携帯電話で行われているスパムメール(迷惑メール)の対策ノウハウが、イギリスの国家レベルで活用されることが分かった。9月12日と13日にイギリスの関連担当者が来訪し、共同声明に署名、協力の枠組みをとりまとめたという。

スポンサードリンク

元記事によるとイギリス貿易産業省のマーガレット・ホッジ産業地域担当相は【経済産業省】【総務省】を相次いで訪問。スパム対策について「利用者や通信事業者の教育」「通信事業者による自主的規制や技術的解決方法」「関連する法制度整備」などの情報交換、職員の相互派遣などを列記した共同声明に署名したとのこと。日本の携帯電話に対するスパム対策は世界でもトップクラスで、特に被害は過去5年間で大幅に減少しており、その成果は世界的に注目されているがゆえのイギリスの行動といえる。

日本のスパム対策は
法整備と自主的努力という
官民の取り組みがかみ合っている
……経済産業省消費経済政策課

確かに携帯電話あてのスパムメールは激減している。言われてみると「そういえば」と体感できる人も多いはずだ。スパムメールは前世紀末から深刻化し、それに対処するため2002年には「特定電子メール法」(受信者の同意がない広告・宣伝メールに「未承諾広告※」の表示を義務付けたアレだ)を法制化。さらにスパム行為を特定商取引法の通信販売広告と解釈し、「ワンクリック詐欺」と同じように「意に反して契約させる行為」とみなして禁止対象にし、被害を防いでいる。法的な縛りを明確化することで、スパムへの圧力を強化したわけだ。

さらにこの法整備にあわせて携帯事業者も「メール送信の回数に上限を設ける」ことで大量のスパム送信を封じる手に出ている。元記事によると【ソフトバンク(モバイル)】では3時間に120通を超えて送信し続ける契約者の回線を強制停止する処分をしており、これまでに2万回線以上が停止されているようだ。

イギリスはこのような日本の成功事例をもとに、法整備や事業者の取り組みを導入するかまえであり、さらにヨーロッパ全体(EU)、そして世界各国への普及も視野に入れているとのこと。

ただ、これも実感できるだろうが日本のスパムは出会い系や動画配信サイトなど、アダルト情報がほとんどで、ショッピングモールへの誘導などそれ以外のものはほとんど無い。それに対しイギリスをはじめとした世界レベルでは投資の勧誘や商品の売り込み(特にショッピングモール、あるいは特定の薬の購入)が多い。送られてくるスパムの内容が違う以上、独自の工夫も必要とされている。

妙な形で携帯電話によるメールのやりとりが「世界一」となり、その取り組みも必然的に「世界一」となってしまった日本。こういう「気が付いたら世界有数の技術やノウハウを有していた」というものも案外多いはずだ。それを磨き上げ、他国に売り込むための商品、あるいは武器として活用し、そして世界に売り込み、役立ててもらうというのも悪くは無い。それで多くの人が救われるのなら大歓迎だろう。

今度は携帯電話へのスパムメールではなく、通常のパソコンなどへのメールメールや、掲示板へのプログラムを用いたスパム的書き込みへの対策も「徹底的な対策」を施すよう努力してほしいものである。


■関連記事:
【ベイズ理論(携帯電話などのスパムメール対策)】

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ