JASRAC、YouTubeに「匿名性排除」「掲載事前審査」を要請へ

2006年10月31日 19:30

【IT media】によると日本の【音楽著作権連盟JASRAC】がアメリカの動画投稿サイト【YouTube】に対し、「匿名性の排除」や「事前審査をした上での許諾掲載制への変更」を要請する方針であることが明らかになった。

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これは先の10月初頭に日本のJASRACなどからの要請でYouTube上の動画ファイル3万件ほどが一斉に削除された、削除依頼側いわくの「YouTube対策強化週間」(【JASRAC側発表リリース】)に続くアクションとして検討しているもの。一連の動きを取材しているIT media側の独自取材による入手資料、JASRACの送信部ネットワーク課浅倉史征係長インタビューから判明した。

「対策強化週間」の流れやJASRAC側の体制については本記事を参照してほしい。簡単にまとめると、「わざわざチェックして削除依頼をしてもきりがないので」という理由から、JASRACがまとめた「YouTubeへの共同アピール」として

「映像の掲載を『掲載後の削除』から『事前審査』に変更」
「投稿者の匿名性の排除」
「削除依頼手続きの簡素化」


などを「権利者一同の意見」の形で要求していく内容の文面を関係各社に配布。意見調整をした上で年内にも正式提出する予定とのこと。

浅倉氏いわく「問題が解決するまで日本からのYouTubeへのアクセスを遮断せよ」といった意見も含まれている。さらにアメリカの国内法ではこの要請に応じる必要はないとする現行法に対し「要望に応じなければ法的措置を検討すべき」とし、その上買収を行ったアメリカのグーグルあてにも提出を予定している。

原文ではさらに、権利保有者らの「もっと厳しい意見」や、「新たな技術の可能性自体を否定しているわけではない」など、さまざまなJASRAC側の意見、考えを目にすることができる。もちろん、日本のコンテンツホルダー・権利保有者のすべてがJASRACらの強硬意見に同意しているわけではない。しかし現状の体制では、これらの意見が「日本の著作権者の共通認識・見解」としてまとめられてしまうことだろう。

先に【「YouTubeへのリンク集」は合法か否か、法律家の解釈などをチェック】で小倉秀夫弁護士や白田秀彰助教授らが危惧していたことが現実のものとして一歩一歩足音を立てながら前に進んでいそうで、(個人的見解ではあるが)きわめて残念でならない。

(最終更新:2013/09/15)

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