今回の買収劇はかねてから噂に上がり、何度と無く報じられてきたが、今回それがようやく現実のものとなって報じられることになった。今回の買収額である16.5億ドルはこれまでのGoogleによる買収劇の中で最高額のものになる。同社はYouTubeの買収について、「広告展開がテレビからインターネットに移り変わる中、YouTubeのようなメジャー級なウェブサイトはマーケティング上非常に有利なものとして我々に貢献するでしょう(the popular Web site will provide it an increasingly lucrative marketing hub as more viewers and advertisers migrate from television to the Internet.)」と語り、買収の有意義さを説明した。また同社の最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は「我々はエンターテインメントのサービス・インフラをユーザーやコンテンツの所有者、そして広告主に提供するにあたり、最高の、まさに生まれたときからのパートナーなのです(We are natural partners to offer a compelling media entertainment service to users, content owners and advertisers.)」と述べたという。

なおこの買収報道を受けて【Googleの株価】は8.50ドル(2.02％)上昇し429ドルで場を引けた。また同記事によると、1年前は280万人だったYouTubeの利用者数も現在では7210万人に及んでいるという。

先に【アメリカのワーナー、著作権付映像のYoutubeへの第三者による投稿を容認】でも報じたように、YouTubeでは投稿動画に対する著作権を精査するシステムの導入を発表し、それに伴い大手のコンテンツホルダーも同サイトへの投稿を認可する方向に動きつつある。また【アメリカ政府機関もYouTubeに動画投稿を開始、キャンペーン広告で活用】にもあるように政府機関もここまで巨大化した「インフラ」を有効に活用しようとする動きを見せている。

今回の買収劇もこれらの「お膳立て」があってこそ成立しえたものといえるだろう。今後両社がどのようにコラボレーションを構築していくのか、楽しみでならない。