任天堂(7974)、DSライトを美術館案内端末として活用

2006年10月09日 19:30

モバイルイメージ【NIKKEI NET】によると[任天堂(7974)]は11月に東京で開かれる美術展で、同社の携帯用ゲーム機ニンテンドーDSライトを用いた美術作品案内システムを導入する。DSシリーズ独自の機能の一つであるタッチペンを用いて作品の解説をチェックできるなどの専用ソフトを開発するという。

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記事によると専用ソフトはゲーム向けのソフトだったものを元に開発したもので、作品を忠実に再現したり、一部を自由に拡大できる映像処理技術を投入したという。具体的にはタッチペンを用いることになる。通常の観賞用ガイドが音声だけだったのに対し、画像と音声による説明で作品への理解を深めるという。

今のところ任天堂からは公式の発表がないので上記参照記事だけでは「?」マークが多いのだが、任天堂ではすでに同様のシステムを京都の【時雨殿】に導入しており、このシステムの流用か改良版であると思われる。この体験型テーマパーク「時雨殿」のアトラクション開発に携わった宮本茂氏とのインタビュー記事(【ニンドリドットコム】)や実際に「時雨殿」を訪れた人の体験談(【旅行の参考書】)で、ある程度どのようなシステムが用いられているのかが判明した。

会場ではニンテンドーDS(ライト)からボタン類が一切省かれ、タッチペンでのみ操作が出来る「時雨殿なび」と呼ばれる端末が希望者に配られ、それを手にしながら会場内を散策することになる。単に端末上で操作をして内容を確認するありきたりな仕様だけでなく、

床のモニターに京都の空中映像が映し出されるようになっていて、目的地に鳥が飛んでいって案内してくれるんですが、普通、大人は「フムフム」とか「よくわからへん」ってなるんやけど、おじいちゃんとかおばあちゃんが、「ん?ん?ん?」とか言いながら、“時雨殿なび”を押してはるし、子供がはいずりながら鳥をウワーっと追いかけてるのを見るのが楽しくて。(ニンドりドットコムより引用)


というような、施設と端末を連動させた「楽しいガイダンス」が体験できる仕組みが用意されている。つまり、床がモニターになっている場所があり、そのモニターには京都全体が映し出されている。そしてその上を専用端末を操作しつつガイドを受けながら、京都散策を楽しめるわけだ。

最近では観光コースを周る際に専用のPDAをガイド代わりに貸与する仕組みを提供する旅行会社もある。この「時雨殿」の場合はさらに一歩推し進め、室内テーマパークを観光コース化し、さらにDSをナビゲーターとして連動させたものとして非常に興味深い。恐らく任天堂はこのケースを元に、11月の東京での美術館の運用も模索し、さらに実証実験を進めた上で汎用化をはかるのだろう。そして多くの美術館にシステムとして提供する計画も併せ持っているに違いない。

非常に興味深く、また任天堂やDS(ライト)の方向性をかいま見れる事象として、続報に期待したいところだ。


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