三菱自動車(7211)、電気自動車「i MiEV」の電力会社との共同研究を開始

2006年10月12日 07:00

電気自動車「i MiEV」イメージ【三菱自動車(7211)】は10月11日、現在開発中である次世代電気自動車「MiEV(ミーブ、Mitsubishi innovative Electric Vehicle)」の研究車両を製作し、電気自動車(EV)の普及に積極的に取り組んでいる電力会社計5社との共同研究を実施すると発表した(【発表リリース】)。三菱側ではこの電力5社にi MiEVを提供し、共同でデータの収集や分析など各種実験・評価を行い、2010年までの市販化を目指すという。

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電気自動車「i MiEV」イメージミーブは既存の軽自動車「i(アイ)」をベースに、高性能リチウムイオン電池と小型で軽量なモーターを搭載した実験車両。車体構造はほぼそのままに、最高時速130キロ/時、1回の充電で可能な走行距離160キロメートル(目標)と、従来の三菱自動車製電気自動車の性能をはるかに上回るスペックを実現できた。

三菱自動車ではこの「期待の星」を、電気自動車の導入に積極的な電気会社に提供し、「Win-Win」の関係を目指すことになる。具体的には今年11月には【東京電力(9501)】【中国電力(9504)】との共同研究を、さらに来年1月からは【九州電力(9508)】との共同研究を開始する。そして2007年秋からは【関西電力(9503)】【北陸電力(9505)】にも協力をあおぎ、各種実証実験、実証走行(フリートモニター)が行われることになる。三菱自動車と各電力会社は、このフリートモニターを通して、実際の使用環境下での様々なデータやノウハウを収集・解析し、将来のEV普及に向けて共同で取り組んでいく。

環境に優しい自動車、次世代エネルギー自動車といえば、昨今ではハイブリッド車や燃料電池車が世間を賑わせている。しかしこれらの自動車には研究開発投資が多量に必要で、現在経営再建途上の三菱自動車ではそれが難しい。そういうお家事情もあり、今回のような電気自動車への注力が行われていると推測できる。すでに同社では官公庁などに100台以上の電気自動車を納入しているが、リリースに「EV普及に向けて」という表記がある以上、広範囲な一般向け販売を目指しているのは間違いなさそうだ。

他社がハイブリッド・燃料電池車に傾注する一方、諸般の事情から電気自動車に力を入れる三菱自動車。わざわい、というわけではないが、これが転じて福となすということになると面白いし、さまざまなエネルギー源を元に変換できる電気を用いた動力車はハイブリッド車などと比べると「未来志向の自動車」といえる気がする。三菱自動車や電力各社の研究成果に期待したい。

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