川崎重工業(7012)、次期固定翼哨戒機の静強度試験機を防衛庁技術研究本部に納入
2006年10月17日 07:00
【川崎重工業(7012)】と【防衛庁技術研究本部】は10月16日までに、自衛隊が導入を検討している次期固定翼哨戒機(P-X)の静強度試験用供試機(01号機)を納入・受領したことを明らかにした(【防衛庁技術研究本部側発表】)。
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次期固定翼哨戒機は現在海上自衛隊が使用しているP-3C哨戒機の後継機として技術研究本部が独自開発しているもので、開発研究の一環として、機体の強度を地上で実物大の機体模型によって評価する試験(静強度試験)が行われる。今回提供された供試機はその実験に用いられることになる。
一方、航空自衛隊が使用しているC-1輸送機の後継機として、今回の次期固定翼哨戒機と同時に開発している次期輸送機C-Xについても、供試機は受領済みで試験架構などを9月28日に受領し、試験準備を行っているとのこと。P-XとC-Xの開発が平行して報じられるのは、両者が部品の多くについて共通化しているのが理由。これは開発・生産・整備の容易さに加え、開発そのものもスムースに進展するという利点がある。部品の共用化による省エネ・節約の傾向は陸上兵器(たとえば機動戦闘車)と同じ、自衛隊内共通の傾向だ。
今後防衛庁技術研究本部では、P-X・C-X共に、耐久試験用の機体1機と、飛行試験機2機を順次、納入する予定だという。そしてP-Xについては2008年以降に海上自衛隊にまず4機が配備される予定で、逐次現状のP-3Cと入れ替えられる予定。
日本の対潜哨戒能力はあのアメリカ海軍をも抜いて世界一だといわれている。近隣諸国で跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する国籍不明(笑)の潜水艦に対処するには、今後も哨戒能力の充実は制空能力と共に必要不可欠だろう。そのためにも、P-Xの一刻も早い開発成功を祈りたいところだ。
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