ローソン(2651)、お年寄り向けコンビニ拡大の方向へ

2006年10月01日 12:30

ローソンイメージ【ローソン(2651)】は9月30日、お年寄りが利用しやすい「シニアにやさしい新型店舗」の九州一号店「ローソンプラス佐賀片田江店」を9月30日にオープンしたと発表した(【発表リリース】)。今店舗は九州地区における「シニアにやさしい新型店舗」展開のモデルとして、全国規模でも初の試み「量り売り」を取り入れることになる。

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ローソンでは【ローソン(2651)の高齢者向けコンビニオープン、「御用聞き」サービスも実施】【ローソン(2651)、高年齢者向けコンビニの展開を全国規模で実施】でも報じたようにフランチャイズの店舗スタイルの一形態として、お年寄りが過ごしやすい設計やコンセプトのもとに作られた「ローソンプラス」(通常のローソンがイメージカラーとして濃い水色をしているのに対し、優しさを演出するオレンジ色の看板をしている)の順次展開を進めている。このスタイルは今回佐賀の新設(改装)店舗で12店目となる。

お年寄り向け「ローソンプラス」の特徴は次の通り。

・「生鮮品の品揃え」:青果、日配品等の充実
・「ホススピタリティ」:出入口の自動ドア、広い通路幅、軽量ショッピングカート設置、多目的トイレ
・「コミュニティ」:「憩いの場」の設置


そして佐賀片田江店はモデル店舗として、「地産地消」「量り売り」「お孫さんと楽しめる場」の3つのコンセプトが新たに盛り込まれている。具体的には

■「地産地消」⇒食べなれた地元の食材・味
・佐賀県産を中心とした青果(野菜・果物)
・佐賀の地元銘菓など地元佐賀県産品の販売
■「量り売り」⇒できたての鮮度感、コミュニケーション
・惣菜、ご飯、焼酎の“量り売り”
■「お孫さんと楽しめる場」⇒ コミュニケーション、楽しみの場のご提供
・駄菓子コーナー
・サンリオコーナー、
・ガチャポン(30台)、ゲーム機(2機)


と、これまでのコンビニとは趣の異なる、たとえるなら「寄り合い所」と「スーパー」を足して二で割ったような様相を呈している。特に「焼酎の量り売り」は一般コンビニにおいては過去に聞いたことが無い(スーパーなどにチェック範囲を広げても滅多にないだろう)。惣菜の量り売りは量をあまり消費しないお年寄りには願ったりかなったりなサービスだし、孫とのコミュニケーションの場の提供は子を持つ夫婦にもメリットになる(用事がある時に孫をお年寄りに預ける場として「ローソンプラス」を活用できる)。

客単価や滞在・占有時間など、単純な営業成績レベルでの問題点の洗い出しやその解決法の考察など、「単純なビジネス上の課題」は少なからず存在する。だがそれ以上の「何か」を「ローソンプラス」では得ることができるだろう。もちろんそれがその店舗の売り上げや収益、そしてローソン自身にとってプラスとなれば大万歳なわけで、そのための模索が今後も続けられるに違いない。

本来コンビニエンスストアは「全国で均一・統一のサービスをどこででも受けられる」というのが最大のメリットであり特徴でもあった。しかし「ローソンプラス」においては「地産地消」など、それに相反するコンセプトが多数導入されている。ライバルの増加で違いが演出しなくくなり、ニーズも多様化し情勢も変化したことにあわせ、コンビニも臨機応変に変化しなければならない、ということなのだろう。

本来ならこのタイプの「ローソンプラス」が近所にあればデジカメ片手に取材をしたいところでもあるが、今リリースにも「現在全国で11店舗」とあるのみで、ローソンの公式サイトに詳しい言及が見当たらない。何らかの形で近所に見つけることが出来れば追って「Shot」のコーナーででも紹介したいと考えている(難しいかな……?)。

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