ソニー、2006年度第2四半期連結業績発表、営業利益は前年同期比90.9%減。ゲーム部門の低迷目立つ
2006年10月27日 06:30
【ソニー(6758)】は10月26日、2006年度第2四半期における連結業績を発表した(【発表ページ】)。それによると営業利益は前年同期比の90.9%減の62億1500万円に留まった。去年と比べて厚生年金基金の代行返上益という特別なプラス要因が無くなったことに加え、パソコン用電池の回収費用が響いている。また、ソニーを牽引している事業であるゲーム部門の低迷が目立つ。
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税引き前利益は279億600万円でこちらは前年同期比74.2%減。なおソニーでは中間配当制度を導入しておりすでに今期でも中間配当12.5円を実施している。前年度も中間期末それぞれ12.5円の配当を実施したが、今期末については今回の発表では「未定」とのみ記載されている。
ソニーではさまざまな事業が会社全体を引っ張っていくという、「ヒーロー的事業部門が他の事業を支える」といった体制が続いており、それは決算上にも如実に表れる。前々期や前期はエレクトロニクス事業が不振で、ゲーム事業や金融事業がカバーしていた。しかし今期はゲーム事業が全体の利益水準を押し下げている。
ゲーム事業の低迷は今回発表された中間決算でも明らか。リリースによると売上高は前年同期比で20.5%減(前年同期の為替レート適用の場合は25%減)。携帯ゲーム機PSPやプレイステーション2の販売数量の減少、プレイステーション2の価格引下げとソフトウェアの減収がひびいたのこと(PSP用ソフトは増収)。営業損益ではプレイステーション3の立ち上げ関連費用の計上や、プレイステーション3の展開に向けた研究開発費の投入などから、前年同期の82億円の利益から一転して435億円の損失となった。
ハードの高性能化と共にゲーム市場が巨大化してビッグビジネスになるにつれ、立ち上げ費用がかさみ、回収までに時間がかかるようになったのはソニーのゲーム事業の展開を見れば明らか。ヒットした時の利益も莫大なものであり、事実ソニーはここ数年はそれでうまく行っていたようなもの。しかしこれからしばらくはPSPとプレイステーション3が収益を産み出すようになるまで、ソニー本来の主力事業だったエレクトロニクスに回帰する状況が続くのかもしれない。
もっともソニーではプレイステーション3を単なるゲーム機としてはとらえておらず、家庭の中心に位置する総合家電のような位置づけを目指している。その意味ではプレイステーション3がビジネスとして大成功しても結局「本業回帰」ということになるのだろう。
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