画像によるスパムメール、1年で40倍に急増
2006年10月29日 06:30
【NIKKEI NeT】によるとアメリカのMcAfeeの研究機関「Avert Lab」は10月24日、メール本文に画像を貼り付けた「画像スパム(Image Spam)」が増えているとして注意を呼びかけた(【参照ページ】)。1年前は全スパムに対して1%しかなかった画像スパムが、現在では40%にも達しているという。
スポンサードリンク
画像スパムはメールがテキスト主流ではなく、各種形式の画像が添付されているというもの。送り手が見せたい宣伝文句などはすべて画像内に映し出される。メーラーがHTMLメールを表示する設定にしているとそれらの文章が映し出されるが、HTML表示をオフにしていると、単なる添付ファイルとなる。
画像スパムの例。中央の薄いピンクの地の部分がスパム本文で、海外のある銘柄を買え、値がりするから、という内容。一方その画像の前後にはテキストの文章が記載されているが、こちらはフィルタをごまかすためかごく普通のありふれた内容……というよりは引っかからない単語が単にちりばめられている。
画像スパムの多くは「pump-and-dump」と呼ばれる株価操作メール(俗にいう買いあおり)や医薬品関係のもの。ただし現在のスパム対策ソフトやフィルタ、メーラーでは、単に本文テキストからそのメールが正規のものであるかを判断するだけではなく、送信元アドレスや件名などもチェック対象にしている。さすがにメールの件名や送信元には画像は使えない(笑)ので、スパム送信元もこれにはお手上げ。結果として、「最新の対策を講じていれば」画像スパムも適切に防げる場合が多いという。
画像埋め込み・貼り付けタイプのメールやHTMLを巧みに利用した、フィルタや読み手の目をあざむくビジュアル志向のスパムメールは当方(不破)にも毎日のように、しかも大量に届いている。参照元にあるように件名や送信元でフィルタリングをかけていたり、ISP側でも処置をしているが、追いつかないのが実情だ。
このような画像スパムはHTML組み込み型のとあわせ、最近「日本発」のものも増えてきている。参照記事でも指摘しているように海外系は株式・医薬品のもの、日本では圧倒的に出会い系や18禁サイトへの誘導が多い。HTMLメールは正規のものなら見た目も美しいし読むのも楽しくなるものだが、こういうものばかり増えてくるので結局メーラーの設定でも「HTMLメールを表示しない」に切り替えてしまう。
「悪貨が良貨を駆逐する」という言葉どおりの展開のようで何となくシャクな気分だが、これはこれで仕方あるまい。むしろ到着したそれらのメールを(引っかからないという前提がもちろんあるが)楽しむくらいの心意気で望んだ方がポジティブシンキングでよいだろう。
……もちろんメールボックスやサーバー容量が圧迫されるのは勘弁こうむりたいが(笑)。
スポンサードリンク
ツイート