サウジ、日量100万バレルの実質削減に賛成
2006年10月20日 06:30
【NIKKEI NeT】によるとサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は10月16日、石油輸出国機構(OPEC)の緊急会合を前に記者団と会見、その中で「実際の生産量から日量100万バレルを削減することに全面的に賛成する」と語ったという。原油の相場次第では12月のOPEC定例総会で追加減産を呼びかけるとのこと。
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OPEC加盟国では減産の進め方について意見が分かれていた。現在OPECの公式生産枠は2800万バレル。しかし9月時点での実際の生産量は2760万バレルと、生産枠を使い切っていなかった。今回の臨時会合では「実際の生産量か生産枠かどちらを100万バレル減らすかが」焦点だった。
生産枠を使い切っていない国の場合には、生産枠が引き下げられても現在の実質生産量との差で一部をまかないきれるため、実質の生産削減量は少なくなる。場合によっては「枠だけ削減で生産量はこれまでと変わらず」という場合もあるだろう。しかしOPEC最大の実力者であるヌアイミ氏が「実質的な削減」を支持したことで、今回の緊急会合ではその方向に動く公算が大きくなったといえる。
生産量を増やせばその分販売収入は増えるが、流通量が大きくなりすぎると今度は原油価格が需要と供給の法則に基づき下落してしまい、産油国全体の売上が減ってしまう。微妙な調整が必要となるのはいうまでもない。
昨今の原油高は石油を利用している多くの産業のコストを高め、各国の代替エネルギー開発に拍車をかけるなどさまざまな影響を及ぼしているが、今回のヌアイミ氏による「実質的な生産量の削減」=「原油供給量の削減」は、少なからぬ影響を原油相場にもたらすものと思われる。
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